信州で愛され60年「テンヨのビミサン」 山梨のだしつゆ…でも4割以上は長野県で消費 根付いた背景にはやはり「食文化」
■1972(昭和47)年からお馴染みのデザインに
手軽さが受けて販売量を増やしていく中、昭和47(1972)年には「一目でわかるラベルを」と、有名な切り絵作家・滝平二郎さんの絵を載せるようになりました。
■信州で重宝された理由…野沢菜漬けなどの「食文化」
そして60年。 なぜ、信州で特に重宝されてきたのでしょうか。社長は「食文化」が影響がしていると話します。 テンヨ武田・武田信彦社長: 「一番大きく伸びたのは、野沢菜漬けにビミサンお使いいただいて、各家庭で一升瓶2本くらいを使う。最初売ってたのは500ミリリットルから600ミリリットルくらいだったと思うんですが、小さいって言われて一升瓶を出したら長野県でめちゃくちゃ売れまして」 この他、そばやうどん、すいとんなどが好まれていることも売り上げが伸びた要因とみられています。今も長野県では大きな1.8リットルの品が最も売れているそうです。
小松菜と山芋を切って、ビミサンをかけます。 愛用歴30年以上・遠藤ゆり子さん: 「はい、できました。忙しい主婦には簡単が一番。結構おいしいんですよ」 わずか2分で「小松菜と山芋のおひたし」が出来上がりました。
続いては「切り干し大根」。切った食材を油で炒めたらビミサンで味付け。 愛用歴30年以上・遠藤ゆり子さん: 「これで大体できて、味をみて。ちょっと足りないかなと思ったら、(ビミサンを)足せば…はい、できました」 こちらもわずか5分で完成。
もう一品。ジャガイモ、ニンジンタマネギを切って、県民おなじみの「ビタミンちくわ」も。 ビミサンで煮て、うどんを入れたら、「煮込みうどん」の完成です。
前日から味をしみこませていた「くらかけ豆のおひたし」もビミサンを使用。 家庭で重宝されていることがわかりました。 愛用歴30年以上・遠藤ゆり子さん: 「きょうは緊張したので、(うどんは)いつもより薄味でした(笑)」 「(ビミサンのどこが好き?)好きに理由はないと思うんですけど、何十年も食べ続けていることが好きって思う。食べ慣れたもの、私の母の味とか真似して、舌で覚えている感覚で簡単に作っている」
■60年で信州の食卓に欠かせない商品に
親から子へと受け継がれていく家庭の味。 テンヨのビミサンもその一つとなり、この60年の間に信州の食卓に欠かせないものになったようです。 テンヨ武田・武田信彦社長: 「長野に行って『ビミサンがもうソウルフードですよ』と言われると、本当にうれしい。この味を愛してくださってる方がいらっしゃる限り、きっちり作って、売っていきたい」
長野放送