慶應野球部メンタルコーチ推薦。大谷選手も実践する<目標をスモールステップに分解>する効果とは?「半年で15キロ減」を掲げてダイエットするより…
◆目標をスモールステップに分解する このスモールステップを、ダイエットを例にとってお話ししてみたいと思います。 主婦のCさん。ダイエットに何度か挑戦するもなかなか成功できずに悩んでいました。 話を聞くと、一度は過度な食事制限で減量したものの、あっという間にリバウンドし、長続きしなかったといいます。 「半年後までに、どうしても15キロ減らしたいんです」 Cさんは、自身の目標をはっきりと口にしました。 「半年で15キロ減」という目標は具体的ですし、達成しようという意欲もあります。 ただ、「15キロ」という数字はかなり高いハードルです。 「15キロ減らしたいという目標は理解しました。そのためにどんなことが必要だと思うか、細かく考えてみませんか?」 私はCさんに、そのように提案し、やるべきことの細分化を促しました。
◆大谷選手の原点 多くのメディアで紹介されているのでご存じの方も多いと思いますが、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手も、実は高校時代に同じようなことをしていました。 大谷選手の場合は「ドラ1・8球団」(※プロ野球のドラフト会議で12球団中8球団から1位指名を受ける、の意)の目標を掲げ、そのために必要な要素として「体づくり」「メンタル」「人間性」「運」などを挙げ、さらに個々の行動へと落とし込んでいきました。 その後、ピッチャーとバッターの「二刀流」で驚異の活躍を遂げ、世界的アスリートとなった大谷選手ですが、彼がやるべきことを見出した原点はこの高校時代にあるといってもよいでしょう。 ここでのポイントは、具体的な行動をとにかく細かく分けることです。 「体を動かす」といった漠然とした定性的なものではなく、「1日1万歩以上歩く」「スクワットを1日3セット行う」といった、できるかぎり定量的なもの、そしてすぐ行動に落とし込めるレベルにまで細分化することが重要です。 「これをやりたい」「こうなりたい」という目標を持っていても、その実現のために「やるべきこと」を細分化できている人は、決して多くありません。 また、行動が伴わないかぎり、いくらワクワクする目標を掲げても、いつまでも実現はできません。 まず「やるべきこと」を認識するのが、目標の実現に向けた第一歩。 さらに、そのための細かいスケジュールまで整理できれば、その時点で目標の実現に向けた大きな一歩を踏み出したとも言えるのです。 ※本稿は、『強いチームはなぜ「明るい」のか』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
吉岡眞司
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