GoogleがCookie廃止を撤回。DIGIDAY JAPAN編集部が聞いた「Cookieレスなき時代」に広告業界関係者はどう向き合うのか?
「目先の情報によってぶれることのないデータ活用」の重要性
データソリューションを提供するベンダー企業各社のコメントは以下の通りだ。 「Googleはついに、広告業界が長い間言い続けてきたこと、プライバシーサンドボックスには欠点があり、消費者のプライバシー保護も、広告主の支援もできないことを認めた。一方、広告業界は、今日のデジタルの世界がChromeをはるかに超えていることを認識した上で、すでに前進している。OTT、CTV、デジタルオーディオなど、インターネット上でもっとも急成長している部分はCookieに依存していないものだ。このシフトは、インターネットのアップグレードを象徴するUnified ID 2.0のような優れたIDソリューションにつながっている。Googleは、消費者が選択することが重要であることを理解しているが、本当の問題は、彼らが本当に消費者に選択肢を与えるのか、それともただ消費者のために決定し、それを変更する能力を制限するのか、ということである。Appleはすでにこの道を歩んでいる。ユーザー体験を軽視する一方で、Appleが権限を持ち、ユーザーが本当に変更したいと思い、ボタンを見つけるためにクリックを何度もする意志があれば、変更できると主張している」 The Trade Desk Japan株式会社 日本担当ゼネラルマネージャー 馬嶋慶氏 「我々Tealiumは、GoogleがChromeでサードパーティCookieを維持する決定を、企業にとっての長期的な解決策とは捉えていない。Tealiumは、これまでも、1stパーティデータ戦略へのシフトや、コンバージョンAPIの使用を提唱してきた。そうすることで、計測と、進化するプライバシー規制の遵守が強化されるからだ。今後も、ユーザーの同意を得て直接収集された1stパーティデータの重要性は変わらない。よりパーソナライズしつつも、プライバシーに配慮したマーケティング戦略が重要だ。このアプローチは、規制要件を満たすだけでなく、顧客との深い関係と信頼を育むのに役立つと考える」 Tealium Japan株式会社シニア・マーケティング・ディレクター 安部知雄氏 「今まで既定路線となっていたサードパーティCookieの廃止が方針転換となった。しかし、プライバシー保護に対する要求は変わっておらず、保護のための手段が未確定ということに過ぎない。今回のGoogleの決定自体も変更が行われる可能性もあるし、新たな代替手段がどのようなものになるかも注視が必要だ。従って、データ利用企業としては今回の件を受けて何かが変わるわけではない。行うべきことは、目先の情報によってぶれることのないデータ活用方針の策定である」 エクスチュア株式会社 代表取締役CEO 原田憲悟氏 「Googleは、ChromeでサードパーティCookieの廃止を全面的に行うのではなく、ユーザーに許可を委ねる提案を発表した。 また、Googleはプライバシーサンドボックスのパフォーマンスと有用性を確保するための継続的な投資を強調した。 この提案はAppleのApp Tracking Transparency(ATT)に似ており、広告ターゲティングに影響を与える可能性がある。ただし、Chromeにはプライバシーを保護するプライバシーサンドボックスがあり、RTB Houseはこれを重要なステップと見ている。私たちは、プライバシーサンドボックスの開発を進めており、Cookieレスのターゲティング手法も準備している。これにより、サードパーティCookieの有無にかかわらず、クライアントに効果的なサービスを提供できる。Googleの声明は簡単な提案に過ぎず、今後数週間でユーザーの選択肢、実装の詳細、タイムライン、ブラウザのデフォルト設定などについてのさらなる説明が期待されている。さらに、規制当局は業界の反応を待ってから自分たちの立場を示す予定だ。RTB Houseは、今後数週間でこの提案に対する詳細な評価を規制当局に提供する予定だ」 RTB House VP of Programmatic Ecosystem Growth & Innovation ウカシュ・ヴォダルチェク氏 「Googleは、ウェブサイトにおけるプライバシーサンドボックスについて新たな方向性を発表した。GoogleはChromeにおいて計画していたサードパーティCookieの完全廃止を取りやめ、ユーザーの同意のもとにサードパーティCookieのサポートを継続する予定だ。この新たな方向性は、英国のCMA(Competition and Markets Authority、競争・市場庁)やICO (Information Commissioner's Office、英国個人情報保護監督機関)といった規制当局の審議を受け、提案された。Criteoは、当社が最近公表したプライバシーサンドボックスのテスト結果のもとに、業界を代表してこの発表を歓迎する。また、当社は今後もGoogleと継続的な協力関係を築いていくことを楽しみにしている」 クリテオ Edited by DIGIDAY JAPAN編集部
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