衣料品大手マンゴの創業者がバルセロナ近郊で事故死 ハイキング中に転落
世界120カ国で事業を展開するスペインの衣料品大手マンゴの創業者イサク・アンディク会長が14日、事故死した。71歳だった。地元メディアは、同会長がスペイン北東部バルセロナ近郊で家族とハイキング中、谷に転落したと報じている。 マンゴのトニ・ルイス最高経営責任者(CEO)は、アンディク会長が死亡したと発表したが、事故の詳細については明らかにしなかった。 地元を管轄するカタルーニャ州警察は米CNNの取材に対し、バルセロナ近郊の観光地コイバト洞窟付近にある深さ約100メートルの渓谷に71歳の男性が転落したとの通報を受けたと語った。警察は現場で遺体を回収したが、その時点では身元は確認できなかったという。一方、事故に詳しい消息筋は同局に対し、転落したのはアンディク会長だと述べた。 カタルーニャ州のサルバドル・イヤ州知事は短文投稿サイトのX(旧ツイッター)に、アンディク会長は「カタルーニャ州と世界のファッション業界に忘れがたい足跡」を残したと投稿。同州を「偉大にし、世界的に有名にした」として、同会長の功績をたたえた。 フォーブスの推定によれば、アンディク会長と一族が保有する資産は約45億ドル(約6900億円)に上る。アンディク会長の息子ジョナサンはマンゴの取締役会の役員で、同会長の推定相続人だ。 マンゴのウェブサイトによると、アンディク会長は1953年にトルコのイスタンブールで生まれ、14歳でスペインのバルセロナに移住した。1984年に弟のナフマンとともに最初の衣料品小売店を開店。以後、2人はスペイン全土にとどまらず、隣国のポルトガルやフランスにマンゴの店名で事業を拡大した。1992年に国際展開を開始したマンゴは、2007年には1000店舗目を達成した。同社は現在、世界120カ国で2100店以上の店舗を展開し、1万5500人以上の従業員を抱えている。海外事業は同社の収益の約4分の3を占める。
Ty Roush