世界で活躍する日本人建築ユニットSANAAを知っていますか?建築界のノーベル賞も受賞する2人が手掛ける最新作は…
ヴィトラ・ファクトリー・ビルディング/ドイツ・ヴァイル・アム・ライン
スイス バーゼルにほど近いドイツのヴァイル・アム・ラインの田園地帯に立つ、家具メーカーのヴィトラの家具生産工場。建物はふたつの半円が組み合わさった楕円形のフォルムで、トラックがどの方向からもアプローチできる構成です。 カーテンのようなうねりのある外壁は、波型アクリル板を3種類組み合わせたもので、周囲の木々や街並みを映し込み、巨大なボリュームの建物を周辺環境に溶け込ませています。 敷地のヴィトラ・キャンパス内には、この建物のほか、フランク・ゲーリー設計のミュージアムやヘルツォーク&ド・ムーロン設計のショールームなど、著名な建築家が手掛けたユニークな建築が数多く集まっています。ガイドツアーも開催されているため、建築やデザインのファンならぜひ訪れてみたいスポットです。 所在地:79576 Weil am Rhein, ドイツ
ルーブル・ランス/フランス・ランス
かつて炭鉱の町として栄えた ランスに立つ、ルーブル美術館の別館。引きこみ線路や坑道などの歴史的な遺構や起伏のある地形を残し、周辺環境と調和するように5つの分棟形式で計画された美術館です。 外壁はガラスとアルミパネルで構成され、丘の上の自然や遺構、周囲に立つ住宅群が透けて見えたり、やわらかく映り込んでいたり、風景に溶け込むように佇んでいます。 見どころの1つは、常設展示室の「時のギャラリー」。25m×125mの広大なワンルーム空間に、紀元前3500年から1850年までの彫刻や絵画が時系列順にずらりと並ぶさまは圧巻です。 森のなかを散策するように作品群を鑑賞すれば、西洋美術の歴史を肌で感じることができるはず。 所在地:99 Rue Paul Bert, 62300 Lens, フランス
SANAAが手掛ける建築のテーマは「環境と建築の融合」。 周辺環境と調和しながらも新しさを感じる風景や、内と外が連続する開放的な空間体験を、さまざまなアプローチで生み出してきました。 この記事をガイドに、あなたもSANAAの建築空間を実際に体感してみませんか?