トルコ、7-9月GDPはパンデミック以来初めて減少か-市場予想
(ブルームバーグ): 7-9月期(第3四半期)のトルコ経済は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以来、四半期ベースで初めて縮小に転じたとみられる。高金利の影響が経済に出始めた。
ブルームバーグが実施したエコノミストへのアンケート調査の中央値では、29日発表予定のトルコの7-9月期国内総生産(GDP)は、前期比0.2%減と予測されている。それでも前年同期比は4-6月期(第2四半期)と同様、2.5%の成長が見込まれている。
トルコの中央銀行は3月以来、政策金利を50%に据え置くなど、年49%近いインフレの対応に追われている。その結果、工業生産は減速しているが、さらに物価が上昇する前に一部の商品を購入しようと急ぐ動きもあり、国内需要は依然として堅調だ。
トルコの製造業は、第3四半期の生産高が前四半期と比べ1.2%減少するなど低調だ。事業活動も低迷し、トルコの製造業購買担当者指数(PMI)は3月以来、拡大の領域に達していない。
一方、第2四半期の前年比成長率(2.5%)の半分を占めた個人消費は、引き続き金利上昇の影響をほとんど受けていないとみられる。小売売上高(季節調整済み)は第3四半期に4.7%増加した。
トルコ中央銀行は、今年末時点のインフレ率は44%で、2025年末には21%まで鈍化するとみている。同中銀は今月、インフレの減速により間もなく金利引き下げが正当化される可能性があると示唆した。今後数四半期の成長には、予想される金融緩和のスピードが大きく影響しそうだ。
イスタンブールにあるコチ大学のセルバ・デミラルプ教授は、インフレ見通しは積極的な金融緩和を正当化するものではないとして、「中央銀行の緩和が限られているため」、来年の成長率の大幅な押し上げはありそうにないとの見解を示した。
原題:Turkey’s Economy Set to Contract For First Time Since Pandemic(抜粋)
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Baris Balci