ネットショップでペット用品って売れてるの? ヨドバシカメラの担当者に聞いてみました!
【ペット×テック】ペット用品を購入するとき、ペットショップやホームセンターなどのリアル店舗を利用する人もいますが、まとめ買いした際、「持って帰るのに一苦労……」なんて経験はありませんか。解決策の一つに、「ネットショップ」があります。いつでも、どこでも購入できて、配送業者が届けてくれて、とても便利です。ネットショップの運営者にとっても、スペースなどの関係でリアル店舗では扱えない商品でも販売することができて収益につながります。そこで、家電を中心にさまざまな商品を販売しているヨドバシカメラでホームインテリア事業部部長を務める松舘公将さんに、ペット用品におけるネットビジネスの状況を聞いてきました。 ●市場は落ち着いたものの2ケタ成長 ――いま、ビジネスの状況はいかがですか。 松舘 ペット関連市場自体、伸び率が鈍化気味と聞いていますので、2023年よりは落ち着いている状況です。ただ、当社はペット関連の老舗と比べると新参者で、現段階では新規のお客様を獲得しているという状況でもありますので、2ケタ伸長を確保して売り上げ自体は増えています。 ――何が売れているのですか。 松舘 猫用品で、キャットフードや砂などは順調です。ボリューム規模が上がっているのを、ひしひしと感じています。首都圏で猫を飼われているケースが多いのではないでしょうか。「散歩しなければならない」ということがないので、共働きでも飼いやすいという声がありますし。市場全体でも猫の飼育頭数が増えていると聞いています。これは個人的な意見ですが、都心部で、しかも共働きとなると、ネットとの親和性が高いと考えています。 ――今年の夏は暑く、しかも残暑も厳しい。ネットショップが売れるというのは暑さも関係しますか。 松舘 そうですね。やはり暑いと「店舗まで出かけるのも……」と思う方もいるのではないでしょうか。ただ、店舗に出かけると「あっ、こんなのもあるんだ」と目的の商品以外も購入されるケースがありますが、ネットショップの場合は余計なものは購入するケースが少ない。これが課題ですね。 ――いかに、いろいろな商品を購入してもらうかがポイントだと。 松舘 そうなんです。検索で買うものがすぐに見つかるというのがネットショップのメリットではありますが、販売する側としては、いかに回遊率を高めるかがポイントになってきます。 ――何か策はあるのですか。 松舘 例えば、ペットの健康を気遣う方が増えていますので、お客様が目的の購入ページにたどり着いた際、次いでに購入していただくために「あわせて買いたい」などに健康志向の「ふりかけ」や「サプリメント」などを提案しています。また、小売りの立場から「これは間違いない!」を伝える商品の組み合わせなどを、しっかりと提案していきます。 ――メーカーとのコラボ商品などはありますか。 松舘 まだまだ道半ばなので、当社限定の商品というよりは、お客様に求められている品ぞろえを用意することが重要といえます。ただ、ペット家電に関しては、家電メーカーの方などと話をしているケースもあります。 ――確かに、ペット関連市場に「参入した・参入したい」というメーカーが出てきていますね。 松舘 メーカーの方からすれば、ペットショップやホームセンターなどの販路を持っていないという場合もあります。そのため、参入障壁が高い。そのような方と一緒に盛り上げていくというのも、ありかなと考えています。当社で家電を購入されたことのあるお客様からすれば、家電やデジタル機器でなじみのメーカーブランドを当社のサイトで販売していれば、「こんなの売っているんだ」と親しみを持つのではないでしょうか。 ――ペット用品における今後のニーズは? 松舘 ペットが長寿命化していますので、長寿命に対応した関連商品のボリューム感が出てくるのではないでしょうか。例えば、おむつとか防水シーツ、毛布、車輪など、介護関連の商品ですね。また、先ほども申し上げましたが、ペットの健康を意識なさる方が増えていますので、栄養素の高いフードを求める方に対して、それぞれの方が飼われている、それぞれのペットに対して、体質や健康状態に合わせた提案なども行っていければいいな、と考えています。