<センバツ>大阪桐蔭の吹奏楽部、センバツで東邦を友情応援
◇東邦のマーチングバンド部、海外遠征で甲子園に来られず 26日の第3試合で勝利した東邦(愛知)を力強い演奏で後押ししたのは、大阪桐蔭の吹奏楽部だった。東邦のマーチングバンド部が2年に1度の海外遠征で甲子園に行けず、友情応援を引き受けた。平成最初の第61回センバツを制した東邦が前回覇者のサポートを受け、「平成最後の優勝」を目指す。 【今大会の全ホームラン】1試合2発 山梨のデスパイネ野村も登場 東邦のマーチングバンド部は、楽器を左右に振るダイナミックな動きを交えた演奏で球場を盛り上げる。しかし、今春は2年前から決まっていた米国遠征と重なり、応援を断念。そこで、同部顧問の白谷峰人さん(43)が知人を介して大阪桐蔭吹奏楽部監督の梅田隆司さん(67)に連絡を取り、支援を求めた。 梅田さんは野球部の西谷浩一監督(49)らと相談。両校野球部は練習試合などで交流があり、協力を決めた。大阪桐蔭の吹奏楽部は、昨年の全国大会で最優秀賞に輝くなど野球部と同様に名門で知られる。東邦の野球部の応援団などと合同練習もして本番に備えた。 この日、三塁側アルプスでは大阪桐蔭の120人の吹奏楽部員が、東邦のテーマ曲「戦闘開始」をはじめ36曲を演奏。東邦の動きのある演奏を再現したほか、大阪桐蔭を今春卒業し、プロ野球・中日で活躍が期待される根尾昂選手の高校時代の応援曲などサプライズも盛り込み、スタンドを沸かせた。 大阪桐蔭は昨夏に史上初の2回目の春夏甲子園連覇を達成したが、今大会は出場がかなわなかった。吹奏楽部の井上里菜部長(3年)は「自校の応援をしたかったという思いもあったが、東邦の生徒と交流して力になりたいと思った。期待に応えられるよう力いっぱい応援できた」と話す。 七回に適時打を放った東邦の石川昂弥(たかや)主将(3年)は試合後、「テレビで見ていた応援曲が自分たちのために演奏され、うれしかった。応援がなければ今日の一勝はなかったと思う」と感謝した。【高井瞳】