「もしハリス」が日本に与える巨大リスク “米国市場崩壊”に警鐘 イメージ戦略で優勢も「実力」は不足、3年半「何もしなかった」事実も
だが、米国の有権者が政策内容を吟味せずに「もしハリス」となった場合、米国はバイデン氏の「悪夢の民主党政権」の4年間をさらに下回る惨劇に見舞われる可能性が高い。
ハリス氏がどれほどイメージ戦略で成功しても、その「実力」はすでに明らかだ。オバマ氏が、ハリス氏の後押しを当初、躊躇(ちゅうちょ)したのも、彼女の「資質」を良く知っていたからだと考えられる。
トランプ氏が指摘するように「立派な政策を掲げるが、バイデン政権の3年半でハリス氏が何もしなかった」のは事実だ。副大統領就任早々、移民問題の失言で政権の足を引っ張った。
筆者が特に懸念するのは高値圏で極めて不安定な米国市場の崩壊である。もし投票日前に崩壊すれば、有権者は「正しい選択」を行うであろう。だが、民主党や民主党を支持するウォール・ストリートは、何とか選挙後に持ち越そうとするはずだ。そうなれば、米国だけではなく、日本や世界にとっての悪夢がやってくる可能性が高い。
ハリス氏が米国市場崩壊という大激震に適切に対応できる可能性はほとんどない。
もちろん、トランプ氏の経済運営にも大きな疑問符がつくが、それでも「ハリス氏よりはかなりまし」と筆者は考える。われわれは、米国民が賢明な選択を行うことを祈るしかない。
■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。