ロ西部の弾薬庫が大爆発、ミサイルなど多数損失か ウクライナがドローン100機超で攻撃
ウクライナのドローン(無人機)の大群が18日未明、国境から北へ500kmほど離れたロシア西部トベリ州の町トロペツを襲った。トロペツには、ウクライナに侵攻しているロシア軍に補給している広大な弾薬庫、第107兵器廠がある。 第107兵器廠では小規模な地震を観測するほどの大爆発が起こり、米航空宇宙局(NASA)の観測衛星でも熱異常が検知された。地元当局は近隣住民に避難命令を出した。ロシアの弾薬多数が炎に包まれた。 保管されていた弾薬の種類は不明だ。ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトの創設者であるタタリガミ(@ Tatarigami_UA)によれば、122mmロケット弾、82mm迫撃砲弾、ライフル銃や機関銃用の7.62mm弾などが含まれるという。 これらより格段に強力で貴重な兵器も置かれていた可能性がある。当局筋は地元メディアのRBCウクライナに、破壊された兵器にはS-300防空ミサイルやイスカンデル弾道ミサイル、北朝鮮製KN-23弾道ミサイルなども含まれると述べている。ロシア軍は対地攻撃に転用したS-300やスカンデル、KN-23を数百km先のウクライナの都市や電力インフラに対する攻撃に使用している。 ロシア軍で最高の部類に入る弾薬が多数、1カ所に集積していたからこそ、ウクライナはこれほど大規模なドローン攻撃を行ったのだろう。RBCウクライナによると、100機超のドローンが投入されたという。ウクライナによるロシア領内の目標に対する攻撃としては、ロシアが拡大して2年7カ月近くたつ戦争で過去最大規模だった可能性がある。 「誇張ではなく、非常に大きな戦果だ。わたしたちはおそらく、何千トン分もの爆発物や砲弾、ロケット弾が失われたところを目撃している」とタタリガミは書いている。 ロシアにとって最善のケースは、第107兵器廠に置かれていた弾道ミサイルはごく少数で、失われたミサイルは今後ほかのミサイルで代替できるというものだろう。代わりのミサイルには、最近第1陣が到着したイラン製弾道ミサイルも含まれるかもしれない。 一方、最悪のケースは、ウクライナ深部への攻撃に用いてきた最良の弾薬のかなりの部分が失われたというものだ。