「この記事を書いてくれた記者さんに負けず頑張ります」 稲本リツイートが記者生活の力に
◇サッカー元日本代表・稲本潤一が引退 【記者フリートーク】 大柄だけど童顔の稲本には笑顔がよく似合う。日本代表合宿で同世代の小野らと楽しそうにボールを蹴り合う光景が思い浮かぶ。 02年W杯で日本は初の16強入りを果たした。だが開幕前は不安材料が山積み。高原がエコノミークラス症候群で落選。小野は直前に虫垂炎を発症。稲本自身もアーセナルで出番に恵まれずコンディションを落としていた。 そんな中でも稲本は明るかった。非公開練習を終えると、誰かと談笑しながらバスに乗り込んだり、いつも笑いの輪の中にいた。2戦連続得点でチームを波に乗せ、決勝トーナメント進出の原動力になったことは偶然でない気がしている。 自身の決勝点でW杯初勝利を挙げたロシア戦から20年となった22年6月9日、スポニチ・サッカー班がツイッター(現X)に投稿した当時の紙面をリツイートし「もう20年もたったのかぁ~ この記事を書いてくれた記者さんに負けず頑張ります」とつぶやいた。記事を書いた筆者には望外の喜び。記者生活終盤を駆け抜ける力をもらった。あれから2年での引退は寂しいが、最後の笛が鳴るまで思う存分笑顔でボールを蹴り続けてほしい。(92~04年サッカー担当・福永 稔彦)