【木原さん解説】大雪のピークはいつまで? 今季“最強寒波”原因は
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今季最強寒波の影響で日本海側を中心に大雪の恐れがあります。その寒波の原因や大雪の見通しなどを気象予報士の木原実さんに聞きました。 今回の大雪、原因としては大きく4つ挙げられます。まずは冬型の気圧配置です。日本海側で雪が降るパターンですが、この時期、決して珍しいことではありません。普段と異なるのが2つ目、強い寒気です。今冬、すでに何度か寒気が入りましたが、今回の寒気が最も強いです。さらに、3つ目の原因は高い海水温です。今年の特徴でもありますが、12月現在、日本海の海水温は平年と比べて2℃程度、高くなっています。そのため、水蒸気量が多くなる、つまり雪雲が発達しやすい条件となります。そして、4つ目は「JPCZ」と呼ばれるモノです。 ■“JPCZ”とは? 正式名称は「日本海寒帯気団収束帯」といい、この英語の頭文字を取って“JPCZ”と呼ばれています。強い寒気と冬型の気圧配置、この影響で日本海で「帯状」に雪雲が発達、その結果、北陸から山陰を中心に局地的な大雪、つまり危険な雪となる恐れがあります。 21日(木)正午段階の気象衛星ひまわりからの映像を見ると、本来、日本海に筋状に並ぶはずの雪雲が、風上にある山脈にぶつかって左右に分かれ、再び合流する所で雪雲が発達しているのがわかります。黄色の丸で囲まれた部分がJPCZです。 気圧配置を重ねても西高東低、冬型の天気図ですが、日本海で袋状に等圧線が曲がっています。ここが特に気圧が低い部分、まさにJPCZと重なります。こちらでは小さな低気圧が発生しやすく、突風や強い雪の原因にもなります。そのため、局地的な大雪となるんです。 ■危険な雪のピークは、いつまで? 21日(木)夜から22日(金)にかけてが一番のピークと言えそうです。コンピューターの雨雲雪雲の予想では、やはり日本海側では雪が降り続く予想で、特に北海道や北陸の山沿いで降り方の強まる所があるでしょう。 また、九州でも雪が降り、平地でも積もる所がありそうです。風も強まるため、ふぶく所もあるでしょう。 22日(金)夕方までに降る雪の量は多い所で、北陸で80センチ、東海で60センチ、北海道と近畿、中国で50センチなどと予想されています。 23日(土)にかけて、さらに雪の量が増える見込みで、大雪や猛吹雪、路面の凍結による交通障害に警戒が必要です。