プーチン氏贈呈の猫「ミール」病死、秋田知事「穴があいたような気持ち」…臨時会見で「家族」悼む
秋田県の佐竹敬久(のりひさ)知事は9日、ロシアのプーチン大統領からの贈りもので、10年以上にわたって大切に育てていた飼い猫の「ミール」(12歳)の死を受けて臨時の記者会見を開いた。半年ほど療養中だったことを明かし、「(わが家は)ミール君を中心に回っていた。家の中に穴があいたような気持ち」と「家族」の死を悼んだ。 【写真特集】さようなら、ミール…ロシアから秋田に来た猫
ミールは3日午前4時頃、知事や家族に見守られる中、自宅で息を引き取った。飼っている他の猫3匹も「ミールの死期を感じるように、そばで見ていた」という。
健康診断を年2回受け、春までは健康だった。6月頃に体調を崩し、検査で消化器系リンパ腫と診断された。治療を受けていたが、11月末から急激に衰弱したという。葬式や火葬は済ませ、遺骨は佐竹家のペットの墓に納骨するという。
ミールは雄のサイベリアン。大柄ながらおっとりして優しい性格で、県の公式ユーチューブチャンネルなどでその姿が時々発信された。ミールの死を受け、県内外の8人から花が贈られたという。知事は「たくさんの励ましの言葉をいただき、感謝申し上げたい」と語った。
プーチン大統領とのつながりは、東日本大震災がきっかけだった。知事は復興支援のお礼として秋田犬「ゆめ」を贈り、そのお返しとして2013年2月にミールが届けられた。
県は3日、ロシア政府にミールの死を知らせようとロシア大使館にメールしたが、9日現在、返信はないという。プーチン大統領へ贈ったゆめの消息もわからなくなっており、知事は「まったく情報がわからない。どうなっているか気にかけている」と気をもんでいた。