タクシー配車、知られざる舞台裏。年間約18万円アップ!バス運転手の働き方改革
「タクシーがつかまらない…」 “配車”にチャンスあり!
コロナ禍で運転⼿の2割が離職し、4月の働き⽅改⾰でさらにタクシーがつかまりにくくなるとみられるなか、ドライバー不⾜を解消しようと奮闘する親⼦がいた。 茨城・取⼿市。8社あるタクシー会社の一つが「三昇交通」(1963年創業)。保有台数8台と⼩規模だが、取⼿に根ざした地場のタクシー会社で、利用客の4割が電話で迎車を依頼。無線で配⾞している。 常連客・⽵内さんご夫婦の⾏き先は、週に1度の楽しみ、カラオケ。竹内さんは、「医者も⻭医者も床屋も全部、三昇さんにお願いしている」とうれしそうに話す。
2月。朝6時前、「三昇交通」を経営する⼭⽥さん親⼦が出勤した。社長は⽗・山田弘志さん(65)で、専務は息⼦の⼀弘さん(40)。登録する運転⼿18⼈の平均年齢は71歳だ。 全産業の平均年齢が43歳なのに対し、法⼈タクシーの平均年齢は60歳。運転⼿不⾜に⾼齢化と、⼀弘さんはシフト繰りに悩む日々を過ごしていた。 父・弘志さんは運転⼿だが、配⾞業務が忙しいため、タクシーに全く乗務できていない。 郊外のタクシー利⽤者の多くは⾼齢者で、最も多いのが病院への送迎。免許の返納も、⾼齢者の利⽤が増えている要因になっている。
ある日の朝。鳴り続ける電話を弘志さんだけではさばききれず、⼀弘さんもサポートし、配⾞業務に追われていた。すると、弘志さんが迎⾞ポイントを間違えて運転⼿に伝えるミスが発⽣。さらに⼀弘さんがお客さんの住所を聞き間違えてしまう。許容範囲を超えた忙しさが、こうしたミスを引き起こしていた。 夕方6時。⾃宅に戻った弘志さんはようやく落ち着けるかと思いきや、⾃宅でも配⾞業務を続けていた。弘志さんは長年これを続け、「三昇交通」の顧客リストを約1000件にまで増やしたのだ。 40年前からドライバー兼社長を務める弘志さんは、人出不足もあり、自ら配車業務を引き受けることに。365日、電話と無線機を持ち歩いている。