タクシー配車、知られざる舞台裏。年間約18万円アップ!バス運転手の働き方改革
今回のテーマは、「交通網を維持せよ!~バス・タクシーの闘い 2024~」。 2024年4月1日から時間外労働の上限規制が始まった…いわゆる2024年問題。そこで危急の対策を迫られているのが、トラックなどの物流や地域の足となるバス・タクシー業界だ。コロナ禍を経て、経済が回復するなかでさらに浮彫となった人手不足。一層の拍車がかかるかもしれないこの新規制に、どう立ち向かうのか? 【動画】バス運転⼿の給与をアップ!「朝晩のみ」「残業なし」多様な働き⽅を提案
“地域公共交通の再生人”の訴え!「このままでは地方が崩壊する」
約71万人が暮らす岡⼭市で9つの会社が共存し、市民の足となっているバス。番組は、市内に40の路線を持ち、150⼈の運転⼿を抱える「岡電バス」の営業所の一つを訪ねた。 所属する運転⼿22⼈の勤務を管理している⻄川義明さんは、「人手不足で埋まっていない。単純に⾔うと5人不足している」と話す。 西川さんは、⼈⼿不⾜で⾜りないところは残業や休日出勤をお願いして、やりくりしていた。
そんななか始まった働き⽅改⾰。時間外労働の上限が設けられ、勤務と勤務の間の休息も、従来より1時間以上⻑く取るよう義務付けられた。西川さんは「乗務員が増えない限りは減便せざるを得ない」と頭を悩ませる。
「岡電バス」を含む6つのバス会社を経営する「両備グループ」の代表・⼩嶋光信さんは、“地域公共交通の再⽣⼈”と呼ばれている。廃線⼨前だった和歌山電鐵 貴志川線を再⽣し、“三⽑猫のたま”を駅⻑に任命するなど、斬新なアイデアを次々と実現。今では海外からも観光客がやって来るほどだ。 去年、小嶋さんは、全国68のバス会社に「2024年問題」の緊急アンケートを実施。すると、ほぼ全ての会社が運転⼿不足で、半数近くが減便を検討していることが分かった。 「交通事業者は他産業より100万円ぐらい平均賃金が低い。たくさん働くことによって埋め合わせていたが、それができなくなる。結果的には“働けない改⾰”になっている」。 2024年はまさに正念場で、「ここを間違えたら地⽅は雪崩の如くダメになる」と危機感を募らせる。