二度と現れない “珍記録ホルダー” 「1球勝利」「1球敗戦」「1球セーブ」「1球ホールド」をすべて記録した中日投手がいた!
1球セーブも達成
さらに2004年4月27日の広島戦では、3つ目の珍記録、1球セーブを手にしている。 荒木雅博の左越えソロなどで2対0とリードした中日は、9回に先発・野口茂樹が栗原健太のタイムリーで1点を失い、なおも2死一塁。 一発出れば、逆転サヨナラ負けという重要局面でマウンドに上がったのは、同年、本調子ではない守護神・岩瀬仁紀をサポートして中継ぎの柱としてフル回転していた落合だった。 「一発だけが怖かった」という落合は、この日まで6本塁打の3番・ラロッカを初球のフォークで二ゴロに打ち取り、2対1で逃げ切り。この結果、落合に1球セーブが記録された。 これには就任1年目の落合博満監督も「ウチには(抑えが)2人いるということ。これからも状況に応じて使っていくよ。英二の存在は大きいね」とニンマリ。同年は岩瀬が22セーブ、落合が10セーブを記録し、5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。
落合には珍記録「0球降板」も
実は、落合は前年にも「0球降板」という珍事の主人公になっている。03年6月26日のヤクルト戦、4対1とリードした中日は、先発・野口が降りしきる雨の中で制球を乱し、7回に安打、四球、犠飛で1点を返されてしまう。 なおも2死二塁のピンチで、投手の花田真人に右の代打・佐藤真一が送られると、山田久志監督はリリーフエース・落合を投入した。 ところが、投球練習中に雨が激しくなり、試合中断。そのままコールドゲームになったが、落合は1球も投げていないのに、すでに交代が告げられていたことから、登板が記録された。 「登板数にカウントされるとは知りませんでした。ツイてるのかなあ。でも、これって、セーブとか付くんじゃないですか?」と落合は目を白黒させ、捕手の谷繁元信からも「ゼロ球セーブですか?」と冷やかされた。 だが、けん制球などでアウトを取ったケース以外では、「ゼロ球セーブ」は認められない。これまた珍しい「ゼロ球降板」となった落合は「霊感が雨を呼んだと書いてください」とコメントしたが、これだけ珍記録にご縁があるのは、やはり霊感のなせる業としか言いようがない。