バングラデシュの小学校を救おう 長野県松本市出身・下川さんの団体がCF
長野県松本市出身の旅行作家・下川裕治さん(70)=東京都=が代表を務める非営利団体サザンペンが、バングラデシュの貧しい子供たちのために運営している小学校への支援金を募っている。同団体が34年前から運営する学校だが、日本の景気後退や円安の進行で送金できる額が相対的に目減りし、学校の盗難被害にも直面した。7月13日まで200万円を目標額とするクラウドファンディング(CF)を実施し、月額制の寄付も歓迎する。 運営するのは同国南部コックスバザールのウシュコラ小学校。少数仏教徒ラカイン族が暮らすこの地で民族や宗教を超えた学校を運営し、貧困層を無償で受け入れる。 長年月額制の支援金で回してきたが、支援者の高齢化や円安に加え、半年前に校内の天井扇風機10台や電気系統のコード類が盗まれた。校舎の傷みも激しく緊急支援が必要と判断。インターネット上で支援を募るCFを開始した。集まった資金は扇風機の設置や盗難防止対策のほか、近年の経済成長で物価が高騰するバングラデシュ内の情勢を鑑み、教員の給与増額に充てる。 活動の発端は、下川さんの友人ジャーナリストが民主化運動への弾圧でバングラデシュに逃れたミャンマー人を取材中、マラリアで亡くなったことだった。故人を慕う人々から集まった300万円を元に学校をスタート。当時の300万円には学校を10年は運営できるだけの価値があった。 下川さんは「良質な援助を目指した意地は今も変わらない。お金では買えないものを残すためにも教育の場の継続を」と慈善の輪の広がりを願っている。 CFの協力はネット検索で「キャンプファイヤーサザンペン」へ。
市民タイムス