体温付近で接着力が1000倍変わる意外なゲルを開発、東北大 海のイガイから着想
ハイドロゲルの空気と触れていた部分はドーパミン分子同士が至るところではしごがかかったようにつながった架橋構造をとり、硬く固まった「タフゲル層」となる。タフゲル層はカテコール基が架橋に関わるために接着性が低くなるが、架橋反応が進んでいない下層は、いろいろな方向を向いているカテコール基が「接着層」として機能する。
ハイドロゲル接着剤は水中での接着性を持つことに加え、外部から温度を変えることで接着と剥離を制御できる。デバイスと生体組織を安定して接合するだけでなく、生体組織を傷つけずにデバイスを取り外せるメリットがある。生体電気信号のモニタリングや低侵襲で行う傷の治療など医療用途への応用も期待できるという。
研究は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業や日本学術振興会科学研究費の助成を受けて行い、材料科学分野の専門誌「NPGアジアマテリアルズ」電子版に10月11日に掲載された。