【コラム】第52回「フェルスタッペンが圧倒的だった2023年…新シーズンの勢力図はどう変化する」|F1解説 ムッシュ柴田のピットイン
フェルスタッペンが圧倒的な強さを発揮した2023年
2023年シーズンは、レッドブルとマックス・フェルスタッペンが圧勝した1年でした。22戦中21勝、勝率95.4%という圧倒的なチーム成績もさることながら、フェルスタッペンだけで19勝したのが何よりすごかったですね。 ●【F1™|ハイライト】F1™2023最終戦 エティハド航空・アブダビGP 決勝|2023 圧倒的なシーズンとしてよく比較に上がる1988年のマクラーレン・ホンダは16戦15勝。アイルトン・セナが8勝、アラン・プロスト7勝を記録しています。 21戦19勝の記録を残した2016年のメルセデスも、ニコ・ロズベルグ9勝、ルイス・ハミルトン10勝と、チームメイトが勝利を分け合うのが普通でした。 それが2023年のレッドブルは、シーズン序盤の第4戦終了時点でセルジオ・ペレスが2勝を挙げ、選手権としては同じく2勝のフェルスタッペンとほぼ横並び状態。ですが第5戦以降はフェルスタッペンだけが勝ち続け、シンガポールGP以外の全レースを制したのでした。 フェルスタッペンの勝ちっぷりがどれほど凄かったか。レッドブルは2023年も860ポイントを手にしてコンストラクターズ選手権を制しましたが、もしペレスの獲得ポイントが0だったとしても、160ポイント以上の大差を2位メルセデスにつけ、タイトルを手中にしていた。それだけフェルスタッペン1人の貢献が、絶大だったということです。
オランダ人王者がトラック上で示した地力とは
これだけ1人のドライバーが勝ち続けると、単調でつまらないシーズンになりがちです。しかし少なくとも僕は、ほぼ毎レース全く退屈せずに楽みながら観ることができました。それは一つにはフェルスタッペンという類まれな才能が、今季さらに成熟した走りを見せてくれたからです。 たとえばメカトラブルで予選15番手に沈みながら、2位表彰台に上がったサウジアラビアGP、あるいは9番グリッドから抜群のタイヤマネージメントで勝利をもぎ取ったマイアミGPなど、グリッド後方からレースをスタートさせても必ず巻き返していました。 19勝のうちの7勝がポールスタート以外(グリッド降格含む)での勝利だったのは、そんな強さから来たものと言っていいでしょう。 特にシーズン中盤以降は、RB19の車体的優位はすでにそれほど大きくはなかったはず。それでもフェルスタッペンだけは、勝ち続けた。そんな凄さを目の当たりにできた、素晴らしいシーズンでした。
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