F1第16戦、今季欧州での最後のグランプリは混戦模様?【イタリアGPプレビュー】
2024年F1コンストラクターズランキング(第15戦終了時)
1位 レッドブル 434 2位 マクラーレン 404 3位 フェラーリ 370 4位 メルセデス 276 5位 アストンマーティン 74 6位 RB 34
ほかのグランプリとは異なる部分も多い伝統的なグランプリ
こうして迎えるイタリアGPは伝統的なイベントであり、ほかのグランプリとは異なる部分も多い。 まずひとつは、イタリアGPが開催されるモンツァ(Autodromo Nazionale di Monza)がほかに例を見ない超高速コースであること。1922年に建設されたモンツァサーキットは、当初5.5kmのロードコースと4.5kmのオーバルコースをホームストレートで交互に入れ替えて走行する、全長10kmのとんでもない超々高速コースだった。 当時は自動車は超高速にチャレンジすることにこそ大きな意味があったが、まだまだ未熟なマシンで死亡事故が多発。幾度ものコース改修変更を経て、現在は4本のストレートをコーナーでつないだ5.793kmのシンプルなレイアウトに落ち着いている(開業当初のコースの名残は、広く長いホームストレートや高速コーナーに見ることができる)。 それでも最高速、平均速度とも今シーズンのF1グランプリの中で最も速く、最終コーナーのパラボリカを200km/hで駆け抜けた後、1.12kmにおよぶホームストレートでF1マシンは370km/hに達する。 コース形態は典型的なストップ・アンド・ゴーで、長いストレートからのフルブレーキング、立ち上がってフル加速という繰り返しで、意外とオーバーテイクは難しい。 このサーキットでのポイントは、ダウンフォースを小さくして最高速を伸ばすこと、そしてそのダウンフォースの小さなマシンで確実にトラクションをかけること。ダウンフォースが小さいためめブレーキやタイヤへの負荷も大きく、高速からの制動をブレーキに頼りがちになるとから、タイヤやブレーキへのケアも重要となる。 もうひとつのイタリアGPの特徴は、熱狂的なフェラーリファン(ティフォシ)が集結し、例年異様な雰囲気の中で行われること。各グランプリがそれぞれ個性的であることはF1グランプリのひとつの魅力ではあるが、イタリアGPはその中でも特別なグランプリと言っていいだろう。 このサーキットを知り尽くしたフェラーリが、伝統的なサーキットでどんなレースを展開するのかにも注目したい。