マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46/1971年10月発売・S122型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト066】
ロータリーが輝いた時代。最強のカペラの称号をGSⅡの登場
カペラの頂点に立つのはクーペGSだったが、昭和46(1971)年10月のGシリーズ追加設定時には、ロータリーでは世界初のAT仕様であるREマチックも設定された。シルキースムーズなロータリーとイージードライビングを可能としたATの組み合わせは、スポーティATの先駆けとなった。 その余勢を駆って昭和47(1972)年2月には、カペラGシリーズのトップに君臨するクーペGSIIを投入している。サスペンション強化によって車高を40mm下げ、ボディサイドにはアローストライプを配した。 足元も、165SR13ラジアルと4.5Jのホイールにグレードアップされている。エンジンもわずかながらパワーアップされ、125ps/7000rpm、 16.3kgm/4000rpmに向上し、より気持ちよさを増している。 最高速はGSと同じ190km/hだが、熟練のドライバーが5速MTを駆使すれば0→400m加速を15.6秒で走り切る実力の持ち主である。カペラGSIIは「風のカペラ」のニックネームを与えられ、サーキットでの活躍はもちろん、ワインディングでも速い走りを披露した。 当時、カペラの六角形のテールランプ(初期型は丸型)に脅威を感じたドライバーも多かったはずだ。ロータリーエンジンが一番輝いた時代の一台となった。
VARIATION
昭和45(1970)年5月に登場した初代カペラREスポーツがこれだ。このときはマツダ入魂のロータリーエンジンの搭載を表すとして、丸目4灯のテールランプを装着した。ヘッドランプは角型2灯だった。昭和46 (1971)年に追加されたGシリーズからはヘッドランプが丸型4灯になった。テールライトは角型4灯に変更されている。
VARIATION
昭和47(1972)年3月に登場したカペラREクーペGSII。これには5速MTが採用され、4cm低められた車高、スポーツ走行に対応して固められたサスペンション、+5psの125psエンジンなど、グレードアップされたカペラの最強力版となる。減速比の変更で最高速は190km/hと同じだったが、0→400m加速は15.6秒にタイムアップしている。価格は114万円とリーズナブル。
マツダ カペラ ロータリークーペGS(S122型)諸元
●全長×全幅×全高:4150×1595×1395mm ●ホイールベース:2470mm ●車両重量:975kg ●エンジン型式・種類:12A型・2ローター ●排気量:573cc × 2 ●最高出力:120ps/6500rpm ●最大トルク:16.0kgm/3500rpm ●トランスミッション:4速MT ●タイヤサイズ:165SR13 ●新車価格:87万円
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