人気洋菓子店の最後の1日『開店2時間前に300人』並んだ人は「娘が大好き...思い出が詰まっている」「買えなかったら泣く」37年の歴史に幕『なかたに亭』
『全部で40点』購入したファンも
『なかたに亭』の最後の1日が始まりました。開店と同時に店内は人でいっぱいです。 5回目のチャレンジで入店できたという男性。 (男性)「ブラウニーと…ノワゼットを小さいやつから4個…」 チョコレートのケーキやお菓子を次々に注文していきます。 (スタッフ)「重いのでお気をつけて」 (男性)「(Qどれくらい買った?)全部で40点くらいかな。今から家に帰って紅茶を入れて食べます」 ホールケーキを購入した女性は…。 (女性)「子どもが幼稚園の卒園があったので、お祝いに最後にと思って注文しました。(Qどのくらい通っている?)6~7年くらいですね。(娘は)ケーキが苦手なんですけど、ここのはすごく大好きで。『なかたに亭のケーキだ』って言って喜んで食べます。(Q魅力は?)何よりもおいしいことと、思い出がたくさん詰まっているので」 (スタッフ)「ご予約ありがとうございました」 大好きなケーキを食べて、娘さんも大喜びだったんだそう。 続いてやってきた家族。これまで親だけで訪れていた『なかたに亭』に初めて娘を連れてきたといいます。 (母)「えーどうしよう…どうしようかな」 お母さん、最後に食べるケーキを悩みに悩みます。 (娘)「カライブが良い。カライブ」 (母)「カライブがいいの?」 (母)「じゃあカライブもう1つ」 (娘)「(Q買いたいケーキは買えた?)うん。(Q何ケーキが好き?)チョコケーキ。早く食べたい」 そして夕方。 (姉妹)「いただきます」「おいしい!」 自分で注文したカライブをお姉ちゃんと仲良く食べたんだって。
スタッフ「人柄が良すぎて大好きです」
午前11時。この時間、中谷さんの姿は再び厨房にありました。 (中谷さん)「今日はみんなのために最後のまかないを僕がつくったので。野菜たっぷりチキンのスパイシーカレーです。セボン(おいしい)です」 3日前から仕込んでいた中谷さん特製の野菜チキンカレー。スタッフと一緒に束の間の休憩です。 (中谷さん)「彼女はアレなんですよ、彼女はOGなんですよ。今は他の店で働いているんですけど、今日は有給休暇をとって手伝いに来てくれた」 (中谷さん)「チキンカレーどう?」 (スタッフ)「おいしいです」 (中谷さん)「いけてる?」 (スタッフ)「(Q中谷さんはどんな方?)本当に人生で出会ったことがないような人で。シェフは楽しくやりたいという方で、やるときはちゃんとやるし、楽しくする時は楽しくやる、みたいな感じで。人柄が良すぎてもう大好きです」 (中谷さん)「どう?カレーおいしい?」 (スタッフ)「涙が出てきました」 (中谷さん)「カレー食べながら泣かんといて」 フランスの2つ星ホテルなどでパティシエとして働いた後、1987年に創業した『なかたに亭』。これまでに様々なケーキや洋菓子を作り上げてきましたが、37年を迎える今年、閉店すると決めました。 (中谷さん)「(誰かに)任せたら今の僕より良くしてくれるかもしれないですけど、良いところも悪いところも含めて、接客も全て含めて『なかたに亭』なので。色々なご意見があると思うんですけど、自分のわがままというか、決断です」 自らで始めた店を、65歳という1つの節目に、自らで閉めることにしました。