阪神・森下翔太が最終戦でみせた一年間の集大成「回旋し切った状態からのコンタクト」
【球界ここだけの話】セ・リーグ2連覇を目指した阪神はシーズン2位に終わった。2年目の森下翔太外野手(24)は中心選手に成長。その中でも最後の1試合に、一年間の取り組みが集約されていた。 【写真】談笑しながら…相合い傘で移動するゲラと森下 10月13日。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでシーズン3位だったDeNAに敗れて、今シーズンが終了した。最終戦は一回に森下がCS2年連続アーチとなるソロ本塁打で先制するも、二回に4点を奪われ逆転される。七回には一挙6失点と大きく離され、苦しい試合展開を強いられた。 注目したいのは七回に阪神が挙げた1点。森下がこの日2打点目を挙げた適時打だ。9点リードのDeNAはけがから復帰したばかりとはいえ、シーズンでは勝ちパターンも担っていたウェンデルケンがマウンドに。それでも2死二塁の好機で打席に立った森下は、ファーストストライクをセンターにはじき返した。大量ビハインドと、終戦がちらつく展開の中でも結果を残した集中力には、目を見張るものがあった。 翌日、森下はこの打席を振り返った。「回旋し切った状態からのコンタクトだった。自分としてもかなりいい打席だったと思います」。〝回旋し切るスイング〟。これこそが2024年に求めてきたスイングだった。 自主トレ公開を行った1月。新たなシーズンを前に、沖縄の地でテーマを明かしていた。 「一番は、回旋し切ることを今シーズンはテーマに置いてやろうかなと思っている。手で打ちに行かずにしっかり回旋しきって打つ。振り切った後にバットを大きく回すのではなくて、体と同時にしっかり回し切るというところを目指して、トレーニングも含めてやっていますね」 プロ1年目を戦いながら、体が回り切る前にバットが体から離れていってしまうスイングに課題を感じていた。力のロスが生まれ、コンタクトの確実性も落ちる。常に結果が求められる試合の中で修正することは難しかった課題に対して、シーズンオフから徹底して取り組んできた。 春季キャンプではなかなか結果が出なかったことがあったが、「信念をもってやらないといけない」と曲げることはなかった。シーズン序盤には調子を崩したが、後半戦では大活躍。やめなかったからこそ、結果がついてきた。