羽生結弦らが能登半島復興支援チャリティー演技会を開催「笑顔の輪が広がってくれたら」
――実際に被災地を訪ね、地元の中学生と交流されたと伺ってます。その際にどのようなお声をかけられたのでしょうか? 羽生 「ニュースや新聞では現状みたいなものを見る機会は何度もあったのですが、実際に生で見た時、『こんなにもこのまま(震災の傷跡が)残ってしまっているんだ』という生々しさにとても衝撃を受けました。『(復興が)進んでいる、進んでない』に関して僕が何か深いコメントを言えるわけではないのですが、傷痕がすごく生々しく残っていたなと。地元の方々も時が止まっているというか、『ここでこんなことがあったんだよね』っていうことをいまだにそこに行くたびに思い返してしまう、『ここが壊れてしまったんだな』『ここに行きたくない』と思い返してしまうということを聞いて、すごく胸が痛むものがありました。そして子どもたちには、『どんなにつらいことがあっても、いずれ時が来れば何かはしなきゃいけない、どんなにやりたくなくても、どんなに進めなかったとしても、締め切りが来たら結局は進まなきゃいけない』、そんなことを言いました。震災から半年以上が過ぎ、『何ができるか』『どんなことが進んでいるか』とか、いろいろなことを考えると思いますけれど、来る時は来るし、来ない時は来ないから、『もうしょうがない』と思うしかないところもあります。でも、その“しょうがない”の中に、笑顔やその時の一生懸命がいっぱい詰まっていたらいいなと思います」 ――配信という形でも実際に石川県で滑ることにした理由を教えてください。 羽生 「配信という形を取った時に、選ぼうと思えばほかの地域で滑ることも可能でしたし、いろいろなことをしようと思えばできたとは思います。ただ、やはり僕はなるべく、つらかった方々、いまつらいと思っている方々、いろんなことで悩んでいる方々の近くで滑りたいと思いました。その地域の力みたいなものや現場の空気みたいなものを僕らは感じながら滑りますし、少しでもこの場所から波動として、空気が動いて、皆さんの元に届けと思いながら滑らせていただきました」 この「能登半島復興支援チャリティー演技会~挑戦 チャレンジ~」は、映像配信サービス・Leminoで見逃し配信中。収益は石川県に寄付されます。