「マウスピース型矯正装置」による“部分矯正”はどんな人におすすめ? メリット・デメリットも歯科医が解説!
マウスピース型矯正装置を用いた部分矯正の費用や治療期間の目安、注意点について
編集部: マウスピース型矯正装置で部分矯正をおこなう場合、治療期間や費用の目安を教えてください。 加須屋先生: 治療期間の目安はおおよそ5~6カ月、費用の目安は40~60万円前後です。いずれも全体矯正の3分の1程度となります。 編集部: マウスピース型矯正装置の装着中は、日常生活(食事・会話)に制限などありますか? 加須屋先生: とくに大きな制限はなく、スポーツや温泉、プールなども装着したままおこなえますが、飲食の際は必ず装置を外す必要があります。飲み物も、水以外は外して飲まなければなりません。滑舌や発音については、新しい装置を装着して2時間ほどは多少の話しづらさを感じると思いますが、その後は違和感なく会話できます。 編集部: そのほかに、マウスピース型矯正装置で部分矯正をおこなう際の注意点や気をつけたい点があれば教えてください。 加須屋先生: マウスピース型矯正装置による部分矯正を成功に導くためには、患者さんの協力が不可欠です。治療中は「装置は1日20時間以上装着する」「飲食時は外す」などの歯科医との約束を必ず守るようにしてください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 加須屋先生: 矯正治療を成功させるためには、歯科医との良好なコミュニケーションと最終目標の共有が何より重要です。まずは自分がどこを治したいのかを明確に伝え、全体矯正が必要か、部分矯正でも対応できるのかを歯科医とよく相談しましょう。加えて、マウスピース型矯正装置は3Dシミュレーションで治療後の歯並びを事前に確認することができます。治療に際しては最終的なゴールを歯科医としっかり共有し、患者さんと歯科医が同じ目標に向かって治療を進むことが成功のカギとなります。本記事を参考に、安心して治療が受けられる歯科医院をぜひ探していきましょう。
編集部まとめ
マウスピース型矯正装置は、前歯の気になる歯並びだけを治す部分矯正にも対応しています。部分矯正は抜歯の必要がなく、治療期間や費用も全体矯正の3分の1に削減できるメリットがあります。一方で、治療に際しては、最終的に歯並びがどのように変化するのかを事前にきちんと把握しておくこと、治療中は歯科医の指示を必ず守ることが重要とのことでした。歯並びは気になるけど費用や時間のコストを抑えたい、歯を抜かずに治療したいという際は、部分矯正を選択肢の1つとして検討してみましょう。
監修歯科医師:
加須屋 真 先生(かすや歯科クリニック) 朝日大学歯学部卒業。その後、大阪医科大学附属病院(現・大阪医科薬科大学病院)歯科口腔外科、北大阪警察病院(現・北大阪ほうせんか病院)歯科口腔外科、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)などで経験を積む。2021年、大阪府高槻市に「かすや歯科クリニック」を開院。多種多様な症例を経験した実績を活かし、適切な歯科治療を提供する。医学博士。日本口腔外科学会認定医。大阪府歯科医師会、高槻市歯科医師会所属。