倒産から「再起」した社長 732人 売上拡大に尽力 経営者保証、債務返済など、再起への課題も浮き彫り
売上高伸長率 「再起企業」が「一般企業」を上回る
2020年から2023年決算の売上高伸長率を算出した(2023年の売上ゼロは集計から除く)。 「再起企業」の売上高伸長率は、「10%増~50%増未満」が25.0%(38社)で最大だった。次いで、「10%減~50%減未満」の21.0%(32社)と続く。 一方、「一般企業」は、「10%減~50%減未満」が27.1%(12万3,276社)で最大。次いで、「10%増~50%増未満」の22.5%(10万2,115社)と続く。 伸長率がマイナスでない増収企業の構成比は、「再起企業」が57.2%で、「一般企業」の51.8%を5.4ポイント上回った。 「再起企業」は、「一般企業」より売上を伸ばした企業が多かった。過去の倒産経験を生かし、コロナ禍での厳しい環境に対応し、売上拡大に取り組んだ企業が多いようだ。
最終利益率 「再起企業」が「一般企業」を下回る
最終利益率の推移をみると、2023年の最終利益率は「再起企業」が2.2%、「一般企業」が6.1%で、「一般企業」が「再起企業」を3.9ポイント上回った。 「再起企業」は、「一般企業」に比べて設立から年が浅い企業が多く、利益創出の面では試行錯誤を続けている企業が多いようだ。
最終損益 黒字企業率は「再起企業」が「一般企業」を上回る
最終損益別では、2023年の「再起企業」の黒字企業率は73.8%だった。2020年の黒字企業率(82.3%)は下回るが、2022年の黒字企業率(71.2%)を2.6ポイント上回り、業績が回復基調にある企業が多い。 2023年の黒字企業率を「再起企業」と「一般企業」で比較すると、「再起企業」が73.8%で、「一般企業」の75.9%を2.1ポイント下回る。しかし、コロナ禍中の2021年(3.4ポイント差)、2022年(4.8ポイント差)と比較して、黒字企業率の格差は縮まりつつある。