ミニマム級祭りで3大タイトル戦 松本流星、石井武志、北野武郎が新王者に
「ボクシング・フェニックスバトル122」(25日、後楽園ホール) 「The MINIMUMWEIGHTS」と銘打った、7試合全てがミニマム級の興行が行われ、うち3試合でタイトルマッチが組まれた。 【写真】新王者に輝き、拳を掲げる石井武志 メインイベントでは日本ミニマム級王座決定戦が行われ、1位の森且貴(24)=大橋=とアマ4冠で2位の松本流星(26)=帝拳=が激突した。2022年の日本王座決定戦と昨年の日本王座挑戦で敗れ、三度目の正直となった森に対し、松本は昨年デビュー、プロ4戦目でのタイトル初挑戦となった。 1ラウンドからサウスポーの松本の鋭い左ストレートが再三、森の顔面にヒット。右アッパーや左ボディーなども織り交ぜて攻め立てる松本に対し、森もインファイトでボディーから反撃していくが、松本はフットワークを巧みに使って遠い距離からパンチを打ち込んで行く。5ラウンド終了時の公開採点は1者が49-46、2者が50-45で、いずれも松本を支持した。 6ラウンド2分過ぎには松本が切り裂いた森の右目下の傷にドクターチェック。森の右目はほぼふさがった。7ラウンド、松本は右フックで最初のダウンを奪うと、左からラッシュ。レフェリーが試合を止め、7回59秒、TKO勝ちした。 松本は「いろんな角度から左を出すという練習はしていたので、それはできたかなと思う。森選手は最後まで来ていたので油断はできなかった」と振り返り、「まだ4戦目で、あっという間で分からないけど、これからもっともっと4戦目で取ったっていうプレッシャーがかかってくるので、もっともっと練習してもっともっとレベルの高い場所に行きます。これからもっともっと上の景色が見られるように頑張る」と語った。 ◇ ◇ セミファイナルでは東洋太平洋ミニマム級王座決定戦が行われ、キックボクシングから転向した6位の石井武志(24)=大橋=が、5位のジョン・ケビン・ヒメネス(20)=フィリピン=を判定3-0で破って新王者となった。 ともに左ジャブから上下に打ち分け、打たれたら打ち返す展開。圧力に勝る石井がやや優勢ながら、双方動きが止まらず、決定的なシーンも作れないまま試合は進んだ。 4ラウンドまでの途中採点は2者が38-38、1者が40-36で石井を支持。8ラウンドまでの途中採点は1者が76-76、2者が77-75と78-74で石井を支持し、最終的には1者が115-113、2者が116-112で石井が判定勝ちした。 石井は「ヒメネス選手は思ってた以上に強かった。今回は12ラウンド戦い抜くつもりで練習してきた。興行としてはダメだったかもしれない」と振り返り、「世界にはまだまだ強いやつらがたくさんいるので、そこに勝ってからチャンピオンだと思う。世界の強豪をまだまだ僕が倒していきます」と誓った。 ◇ ◇ 日本ユース・ミニマム級タイトルマッチは、挑戦者の北野武郎(20)=大橋=が王者・宮澤蓮斗(21)=松田=を判定2-0で破り、新王者となった。フェイントを駆使してインファイトを狙う宮澤の連打をもらう場面もあったがガードでしのぎ、「7、8で前に出る作戦だった」と振り返った通り、7ラウンドに左ストレートでぐらつかせて競り勝った。 北野は「ユースタイトルを取らないとダメだと思っていた。ホントにキツくて、宮澤選手は強くて、ホントに成長できた試合だった」と振り返り、「もっと練習してもっと上に行く」と約束した。