現物ETFの承認でビットコインは4万7000ドルを突破──イーサリアムとグレースケールのGBTCは上昇
アメリカの規制当局がビットコインETFを承認したことを受け、10日にビットコイン(BTC)と暗号資産市場全体が急騰した。この承認はデジタル資産業界にとって画期的な決定であり、ビットコインの投資家層を劇的に拡大する可能性がある。 ビットコインは本記事執筆時点で4万7500ドル(約681万5000円、1ドル145円換算)付近で取引されている。ニュース発表前の4万6000ドルを下回る水準からは上昇している。アメリカのイーサリアムETF申請に注目が集まる中、時価総額第2位のイーサリアム(ETH)は11%上昇し、20カ月ぶりに2500ドル(約36万2500円)を超えた。 暗号資産ヘッジファンド、オルト・タブ・キャピタル(Alt Tab Capital)のIR責任者であるマイケル・シルバーバーグ(Michael Silberberg)氏は、「新たな層の機関投資家の暗号資産の買い手からの資金が市場に流入することで、泡沫的な価格蓄積が起こる」と予想していると述べた。
GBTCは急騰、暗号資産関連株は横ばい
トレーディングビュー(TradingView)のデータによると、現在ETFへの転換が許可されている最大のクローズドエンド型ビットコインファンドであるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の価格は40ドルに急騰し、2021年12月以来の最高値となった。 ほとんどのビットコインETF発行会社にカストディサービスを提供する米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)の株価は横ばいで151ドル付近。ビットコインマイニング企業のマラソンデジタル(Marathon Digital)とライオット・プラットフォーム(Riot Platforms)同じく横ばいだった。 世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が昨年6月に現物ETF創設に向けた書類を提出して以来、他の企業も後に続いて申請を行っており、デリバティブではなく現物を保有できるアメリカ初のビットコインETFの期待は暗号資産市場にとって追い風となっている。 現物ETFはすでに上場されている先物ETFよりも優れていると考えられており、強気派はこれがビットコインへの大幅な資金流入を呼び込むことに賭けている。