MotoGP日本人ライダーの戦い【第9戦ドイツGP】Moto2小椋藍“大きい”3位と、Moto3古里太陽“ちょっと残念”な2位
MotoGP中上貴晶、ホンダ勢最上位の14位
MotoGPクラスに参戦する中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)は、決勝レースを14位で終えて、2ポイント獲得を果たした。ホンダ勢として最上位。これが、ホンダの現状だ。 「ポイントを獲得できたので、現状はベストを尽くせたし、ホンダトップでゴールできた。一つクリアできたかな、と思います」 苦しい戦いが続くホンダは、サマーブレイク明けにアップデートがあると言われていた。ただ、中上の話によると、シーズン後半戦が明けて最初のグランプリであるイギリスGPではないだろうということだ。 「旋回性、リヤのグリップ、加速面のトラクションは他車に比べて明らかに劣っています。まだまだ差は大きいです」 「(アップデートが)アラゴンやミサノになるかもしれない、とは聞いています。アッセンの前からそう聞いていました。大きなアップデートが転機となれば、とみんなが期待しています。それを待つしかないな、というのが正直なところです」 シーズン後半戦のアップデートと、それによる改善が待たれる。
Moto3山中琉聖は3回のペナルティを科されるも6位でゴール
Moto2ルーキーシーズンを戦っている佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、レース中盤に左肩に力が入らなくなり、ペースダウンして24位だった。とはいえ、土曜日に話を聞いたときは「しっくりきて、攻められるようになってきました」と明るい表情を浮かべていた。シーズン後半戦に期待だ。 そしてMoto3の山中琉聖(MTヘルメット – MSI)は、プラクティス2でのスロー走行に対して決勝レース中のロングラップ・ペナルティが科された。これに加え、決勝レースでジャンプスタートと判断されたことで、ダブル・ロングラップ・ペナルティを受け、合計3度のロングラップ・ペナルティを消化することになった。ロングラップ・ペナルティを消化して後退したところから、それでも6位でゴールしているのだから、素晴らしい追い上げだ。今季のスピードは、健在である。 また、鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は9位でゴールした。タイヤを温存していたし、フィーリングもよかった。ただ、イタリアGPとオランダGPで転倒が続いていたため、攻めきれなかったのだ。「自分の中で不完全燃焼でした」と、声を落としていた。 MotoGPは約3週間のサマーブレイクに入る。サマーブレイク明けのMotoGP第イギリスGPは、イギリスのシルバーストン・サーキットで、8月2日から4日にかけて行われる。 ※ロングラップ・ペナルティ: レース中に課されるペナルティ。コースに設定された特定のエリアを通過しなければならない。通常のコースよりも大回りとなるため、ペナルティを消化するとラップタイムは数秒ロスとなる。
伊藤英里_Eri Ito