栃木の108歳女性が「世界最高齢の理容師」に認定された日 裸眼で90年以上使い続けているハサミを操る
「人生100年時代」というフレーズが現実味を帯びてきている。そのために何をしたらいいのか? 世界最高齢現役理容師、108歳の箱石シツイさんの生き方にそのヒントがある。94年間、愚直にたんたんと続けてきたことが長寿に与えた影響はなんだったのか? 書籍『108歳の現役理容師おばあちゃん ごきげん暮らしの知恵袋』より一部引用、再編集して紹介する。 【写真】90年以上研ぎを重ねてきて、歯の長さが半分ほどに減っている「眼鏡バサミ」 ■アメリカのリサーチ会社から突然の連絡 あれは令和5年(2023年)の秋だったと思います。突然、息子のところにアメリカから連絡があったんです。アメリカの「ロンジェビクエスト」というリサーチ会社だそうで。
なんでも、長寿の人についていろいろ研究したり調査したりして、世界に発表している会社なのだそうですけど、その会社から「箱石シツイさんを世界最高齢の現役理容師として認定したい」と、そういう連絡だったそうです。 そう息子から聞いて、もう、ただただ驚きまして。「え、世界一?」って聞きましたら、「お袋、世界一の理容師じゃないよ。世界で一番高齢の理容師だよ」って、息子も笑っていました。 アメリカで理容師をやっていた108歳の男性が前の年に亡くなったそうで、現在はわたしが世界最高齢なんだそうです。まぁ、なんということでしょうねえ。長生きはしてみるものとでもいうか、びっくり話です。
それで、「認定証を持ってお宅まで伺いたい」とおっしゃったそうです。アメリカからはるばる、日本の栃木県のね、こんな山奥まで来てくださるというのですから、またまた驚きました。 そうしましたら、本当にいらっしゃったんですよ。ベン・マイヤーズさん。会社の偉い方で、CEOというのだそうです。大きな方でした。 そして認定証を直接渡してくださって、一緒に記念写真を撮ったりしていたんですけれど、ベンさんが「わたしの髪を切ってくださいませんか?」なんておっしゃって。