駒澤大学高等学校、済美を2-1で退け2回戦へ
7月27日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)1回戦が行われ、アロハフィールドの第2試合では駒澤大学高等学校(東京)が済美(愛媛)を2-1で下し、2回戦に駒を進めた。 【フォトギャラリー】駒澤大学高等学校 vs 済美 9大会ぶり2回目の出場の駒澤大学高等学校と6大会ぶり5回目の出場となる済美の一戦は異なるサッカースタイル同士がぶつかり合う好ゲームとなった。 縦に早く力強く攻める駒澤大学高等学校は序盤に右サイドをMF10内田龍伊が左サイドをFW14森田敬太が深い位置まで攻め上がりゴールを狙っていく。対する済美は、ショートパスを繋ぎ緩急を付けながら、MF6深見月哉とMF10隅田幸輝が起点となり、ビルドアップから最終ライン突破を試みる。 まず試合を動かしたのは駒澤大学高等学校。29分、右サイドからのクロスをファーサイドで、FW9岩井優太がヘディングで競り勝ち中央への折り返しを、FW11岸本空がゴールに押し込み先制点を獲得。先制された済美だったが34分、PA内で細かくボールを繋ぎサイドに展開。上がってきたDF2垣添光がGKと1対1となったが、これはGK1丸林大慈にセーブされ得点は奪えなかったが、ゴールのにおいを感じさせた。 1-0で前半を折り返し、試合は後半へ。42分、済美はDFラインから前線に素早くボールを繋ぎ、左サイドのMF8河野椋衣へ展開しクロス。ゴール前でフリーになっていたFW14兵頭陸がゴールネットを揺らし、同点に。「練習でもニアに顔を出してからファーに逃げるとか、工夫していて、どのようにフリーで受けるかやってきた」(兵頭)という納得のゴールを決めて試合は振り出しに。 58分、済美にキャプテンのDF5岡田蓮が負傷退場のハプニングが襲う。「この怪我での退場が痛かった」と済美の渡邊一仁監督が話す通り、済美はチームの精神的支柱を失うと、ここから流れが駒澤大学高等学校に傾きだす。63分、内田がMF8矢島礼偉が左サイドに走り込んだ所にパスを繋ぎ、再び段差を付けて入り込むと、そこにグラウンダーのクロスが入り冷静に合わせてゴールに流し込み再びリードを奪う。「追いつかれていたのでホッとしましたし、個人の所では結果を残すと言っていたので1点取れて良かった」(内田)とゴール後は、喜びを爆発させていた。結局このゴールが決勝点となり駒澤大学高等学校が2-1で勝利し2回戦へ駒を進めた。 惜しくも敗れた済美の渡邊監督は「変なエラーはなかったが心技体の体の部分で、後手を踏みすぎた。これだけ縦に早いチームは愛媛にはあまりないので、もう少し抵抗できないとやりたいことができないが良い経験ができた」と試合を振り返った。 強豪校と渡り合うにはフィジカル強化が必須と考える指揮官は、その課題を克服すべく青森山田から松本晃コーチを招へいした。「縦に早い攻撃の青森山田から来てくれたけど、我々の相手を見てのサッカーにも理解してくれていて、すり合わせながら進めています」と渡邊監督は自分たちのスタイルを保ちながらも、全国で勝つための準備を進めている最中だ。 一方、勝利した駒澤大学高等学校の亀田監督は「全国大会出場が決まり、色々な人たちから連絡を頂いて、僕らが勝つことによってOBたちの同窓会が始まったりしています。それは僕らにも強いモチベーションになっています」と、まずは関係者への感謝を口にした。続けて「僕らは全国制覇が目標なので、ここでは絶対に負けられない通過点だと思うので明日もしっかりとやりたい」と気を引き締めた。 キャプテンのMF6寺尾帆高は「僕らは優勝を目標に掲げているので、格上の矢板中央(栃木)に対しても、勝つことだけを考えて準備していきます」と気持ちを新たにした。 (文・写真=古部亮)