なぜ森保監督は本田圭佑の東京五輪OA枠立候補を歓迎したのか?
前出の『AbemaTV』で本田が早くも怪気炎をあげれば、森保監督も東京五輪世代とオーバーエイジを可能な限り早く融合させ、その先に起こるはずの化学反応を笑顔で思い浮かべる。 「まだまだ経験が浅い東京五輪チームと、経験豊富な選手たちがさまざまな接点をもってもらい、より素晴らしい選手に成長していく。そういう環境を作っていきたい」 五輪代表に関してはA代表と異なり、各国協会は選手を拘束する権利をもたない。今回のアジア競技大会も、1クラブにつき1人という制限が設けられた。海外クラブ所属選手の招集が却下されるケースも珍しくなく、オーバーエイジ枠で招集する場合はさらにハードルが高くなる。 協会の交渉力、JFAの場合は技術委員会の手腕も問われてくる。しかし、どんなに実績をもつ選手を招集できたとしても、チームの土台を成す若手選手たちの地力が上がらなければ本末転倒になる。 「無駄な試合はひとつもない。目標としては1試合でも多く戦うことと、1試合1試合の結果にこだわること。これらはいままで通り要求しながら、最終的に頂点に立つことを考えていきたい」 ネパール、パキスタン、ベトナム各代表と対峙するグループリーグを含めて、9月1日の決勝戦まで戦えば最大で7試合。またとない真剣勝負が待つインドネシアの地へ、ヤング森保ジャパンは開幕2日前の12日に集合して日本を飛び立つ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)