高校生が未来のまちづくり体験 島に必要な政策提案 鹿児島県立沖永良部高校
【鹿児島県・沖永良部】まちづくりを体験する特別授業「未来シミュレーション会議inおきのえらぶ」が4日、沖永良部高校であった。普通科の1年生47人が参加し、沖永良部島にとって将来必要となる政策について意見を交わした。 沖永良部の未来について考えてもらおうと企画。事前に、和泊、知名両町の役場を訪問し、町の現状や今後予定されている事業を調べた。 授業は、2030年に架空の自治体「おきのえらぶ市」が誕生したと想定。市長役の先生が掲げた運営方針▽地域資源を活用した安定した仕事づくり▽国内外からの交流人口の増加▽安心、夢、ゆとりのある子育て環境▽町民全員が健康で、安心安全な自立した地域づくり―の4項目に沿って、生徒たちが役場の総務課や企画課、経済産業課など各部署の課長役となり事業を選定した。 グループワークでは、市長が検討を求めたローコストアリーナの建設やゼロカーボン事業の推進のほか、台風発生による復旧対策費の支出などさまざまな条件を考慮しながら、限られた予算の中で各種事業の必要性や実施時期を話し合った。 最後に発表が行われ、生徒からは「ゼロカーボン事業は早くから取り組みたい」「アリーナは、将来の島の活性化のために必要」「人口を増やすためにもSNSは活用するべき」などと提案。質問では「アリーナを建設する前に災害対策や無電柱化の方が先ではないか」などの意見が出た。 1年の藤田知花さん(16)は「ほかのグループの意見を聞いて、まったく別の視点もあることに気付けて、とても面白かった」と話した。