雑居ビルの銭湯にも…“日本一のシャッター商店街” 復活への切り札は『廃墟ツアー』で逆手に取った町おこし
「昭和の遺産」が満載の、自虐的ともいえる廃墟ツアーだが、資金不足に悩む商店街にもメリットがある。 田代さん: 「この廃墟ツアーはお金がかからずできちゃうので。今あるものそのままが観光資源になりますので、初期投資0円でツアーが組めるというのも1つのあり方だと思って、今の柳ケ瀬においては、結構合ってるんじゃないかと思っています」
廃墟ツアーには40人が参加し、閉店したキャバレーではミラーボールやタバコの吸い殻が残されたままの灰皿など、当時のままの姿を思い思いに探索した。
ツアーのしめくくりには、“バブルの置き土産”アーケードのネオンが点灯された。一夜限りの復活だが、ピンクや青、緑と怪しげに光るネオンは、参加した若者に新鮮に映ったようだ。
参加した女性: 「ネオンが気になって申し込みました。時が止まっているような、昔ながらの雰囲気を一緒に楽しめた」 参加した男性: 「全国的にもここしかないみたいな光り方してるみたいなので、本当に貴重な物を見られてうれしいです」
小澤理事長: 「感激しました。コロナ以降全く点灯していなかったので感慨深いです。この町は何かある、怪しい感じがするけど、楽しい町やなというのを思って頂けたらありがたいですね」
■全身タイツ姿で歩くイベントも…「柳ケ瀬商店街」復活への様々な取り組み
西柳ケ瀬だけでなく、柳ケ瀬商店街全体でも再生に向けた取り組みが進んでいる。 10月20日から12月15日まで行われる「柳ケ瀬日常ニナーレ」では、全身タイツを着てみんなで街を歩いたり、名物の“あゆ菓子”の食べ比べなど、個性豊かなプログラムを楽しむことができる。
2024年で3回目を迎え、次々と新たな企画が生まれていて、その1つが予算1000円で楽しめる「はしご酒ツアー」。昔ながらの人情あふれる「こころと財布に優しい」ツアーだ。 「はしご酒ツアー」の準備として、柳ケ瀬の住人が勧める飲食店マップの作成も進められていた。
はしご酒ツアーを企画した女性: 「自分にとって居心地のいいお店が見つけられれば、ものすごくラッキーなことですし、『参加してよかった』『行って面白かった』という声が、柳ケ瀬に来てくださる方から聞こえてくるといいと思っています」 もう「シャッター商店街」とは言わせない、柳ケ瀬ならではの魅力を武器に、復活に向けた逆襲が始まった。 2024年9月24日放送