トランプ氏、AI・暗号資産責任者にサックス氏 ペイパル元幹部
[5日 ロイター] - トランプ次期米大統領は5日、ホワイトハウスの人工知能(AI)・暗号資産(仮想通貨)責任者(Czar)に米決済サービス大手ペイパルの元最高執行責任者(COO)、デービッド・サックス氏を指名すると発表した。 デジタル通貨政策の見直しを進める狙いがある。 トランプ氏は「(サックス氏は)暗号資産業界が求めている明確性を確保し、業界が米国で繁栄できるよう、法的枠組みの問題に取り組むことになる」と述べた。「Czar(王)」という肩書が正式なものかどうかには言及しなかった。 サックス氏は南アフリカ生まれの52歳。トランプ氏を支持する起業家のイーロン・マスク氏やピーター・ティール氏らペイパル出身者が集まる「ペイパルマフィア」の一員とみられている。 早くから仮想通貨を熱心に支持しており、2017年のCNBCとのインタビューでは、ビットコインの登場でインターネットに革命が起きるとし「私たちは今、新しいタイプのウェブの誕生を目撃しているような気がする。これを分散型ウェブ、あるいは通貨のインターネットと呼ぶ人もいる」と語っていた。 トランプ次期政権では、サックス氏のほか、証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)の委員長らが、新たに設立された暗号資産諮問委員会と協力して米国のデジタル通貨政策を見直すとみられている。過剰な規制はイノベーションを阻害するとして、人工知能(AI)や仮想通貨の規制を最小限に抑えたいという意向が総じて強い。 トランプ氏は4日、SEC次期委員長に暗号資産推進派のポール・アトキンス氏を指名している 暗号資産運用会社アストロノート・キャピタルのマシュー・ディブ最高投資責任者(CIO)は今回の人事について、極めて強気な材料だと指摘。 「(サックス氏は)ソラナなどのコインを保有していたこともある。暗号資産に関して、技術的にも商業的にも、多くの人が考えているよりはるかに有能とみられる」と述べた。 トランプ氏はサックス氏がホワイトハウスの科学技術諮問委員会を率いることも明らかにした。