無印良品「スキンケアシリーズ」リニューアルの背景
無印良品のスキンケアシリーズは、年間累計2,500万個を販売する人気の商品だ。現在は、「敏感肌用」、「エイジングケア」、「クリアケア」、「薬用ブライトニング」の4つのシリーズを展開しており、中でも「敏感肌用シリーズ」は特に厚い支持を集めている。 20年以上愛され続けている「敏感肌用シリーズ」だが、2023年秋にリニューアルされた。パッケージも大きく変わり、丸みのあるボトルとシンプルなラベルが採用されている。 今回は、無印良品の「ヘルス&ビューティー」カテゴリーを担当する鳥川行雄さんに、スキンケアシリーズの人気の理由とリニューアルに至った背景について伺った。
人気の理由は、機能性と手に取りやすい価格
無印良品でスキンケア用品の販売がスタートしたのは1997年。化粧水をはじめとしたベーシックなスキンケアシリーズで、シンプルな商品ラインナップだったそうだ。 「敏感肌用シリーズ」が生まれたのは、2000年のこと。そこから、さまざまなシリーズが展開されていった。 「シリーズ化が進んだ背景には、生活者の皆さんの肌の悩みの変化があります。昨今、その悩みは多様化しているので、“それらに一つひとつ応えよう”と考えると『敏感肌用シリーズ』に加えて、『エイジングケア』や、肌荒れ・ニキビが気になる方への『クリアケア』、肌を明るくする効果が期待できる『薬用ブライトニング』などを展開する必要がありました」
「人気の理由には2つのポイントがある」と、鳥川さんは話す。 「原料選定のこだわりが、そのまま商品の機能性に表れていることだと思います。たとえば、2023年9月に発売した『発酵導入美容液』は、欠品続きになるほどご好評いただいた商品です。 この商品には、米ぬか発酵エキスを使用しているのですが、もともと米ぬかは最大限利用しきれていない、一部は廃棄されてしまうような原料のひとつでした。 弊社では、そういったものをできるだけ活用して、より良い化粧品原料として生まれ変わらせています。 また、価格も魅力的なポイントなのではないでしょうか。一般的な化粧品メーカーに比べると、無印良品ではとても少ない額で広告費を設定しています。 そこにお金をかけるのではなく、原材料の価格に基づいた売価設定をすることで、お客様にとって手に取りやすい価格で商品を提供することができていると思っています。 また、容器やパッケージも華美なものではなく、シンプルで基本的な機能を有しているもの、かつ使いやすくてきちんと中身を守れるものを使っています。そういったところでも、手に取りやすい価格で提供し続けるための努力を続けています」