シリアのアサド政権が崩壊 反体制派が首都ダマスカス制圧
【カイロ、モスクワ共同】シリア反体制派は8日、首都ダマスカスを掌握、アサド政権が崩壊した。ロシア外務省はアサド大統領は内戦の当事者らと交渉した結果、辞任を決断し、国外に去ったと発表した。アサド氏の行き先は不明。シリア内戦は膠着状態となっていたが、反体制派が11月下旬以来、電撃的な攻勢をかけ、アサド氏の父の代から50年以上続いた強権体制の幕を閉じた。 過激派が主導する反体制派の統治能力は未知数で、中東混迷に拍車がかかる。ロシア外務省によると、アサド氏は平和的な手段による権力移譲を実行するよう指示を残した。シリアのジャラリ首相は中東メディアに対し、政権移譲に協力する考えを示し、選挙が実施されるべきだと述べた。 米ニュースサイト、アクシオスの記者はアサド氏が7日夜、ロシア入りを目指し航空機でダマスカスを離れたと報じた。 アサド政権はイランやロシアの軍事支援を受けていたが、防衛に失敗した。シリア北東部には反体制派と距離を置くクルド人勢力の支配地域もある。主導権争いが活発化する可能性もある。