ヨーロッパの各リーグとFIFProがFIFAを訴え…試合数の増加など「支配権の濫用」を指摘もFIFAはプレシーズンのツアーに苦言
プレミアリーグを含むヨーロピアン・リーグスと、国際プロサッカー選手会(FIFPro)が、国際サッカー連盟(FIFA)を訴えるようだ。イギリス『BBC』が伝えた。 33カ国の39のリーグと1130クラブを代表するヨーロピアン・リーグは、選手の福祉を守るために欧州委員会に対して苦情を申し立てているという。 これは、プロサッカー選手協会(PFA)を含むリーグや選手の組合から、追加される試合数と選手への影響をめぐって圧力が高まったことを受けてのことだという。 FIFProは声明を発表し、「FIFProとヨーロピアン・リーグスは、試合日程を巡りFIFAに対して欧州委員会に共同で苦情を申し立てる」、「訴状はFIFAの行為が欧州連合競争法に違反していると説明する予定だ」としている。 大会の拡大や増加により、一部の選手の試合数が膨大なものとなっている現代のサッカー界。予てから、クラブの試合と代表の試合数の多さに苦言を呈する人が多くいた中、今なお拡大は続くばかりだ。 FIFProは「国際試合のカレンダーは今や飽和状態を超えており、各国リーグにとって持続不可能となり、選手の健康にとってリスクとなっている。ここ数年のFIFAの決定は、繰り返し自らの大会や商業的利益を優先し、統括団体としての責任を無視し、国内リーグの経済的利益や選手の福祉を害してきた」と訴え、「支配権の濫用に当たる」としている。 FIFAが大会の方式などの決定に際し、これまで各国リーグや選手組合を拒否し続けていることを問題視しているという。 なお、FIFAの広報担当はこの訴えに対して反論。 「現在のカレンダーは、FIFProやリーグ団体を含む包括的かつ包括的な協議を経て、ヨーロッパを含むすべての大陸の代表者で構成されるFIFA理事会で満場一致で承認された」 「FIFAのカレンダーは、国際サッカーが国内や大陸のクラブサッカーと並んで存続し、共存し、繁栄し続けることを保証する唯一の手段だ」 「欧州の一部リーグは、競技会の主催者や規制機関でありながら、商業的な利己心と偽善に基づいて行動し、世界の他のすべての人々への配慮を欠いている。これらのリーグは、親善試合や夏のツアーでいっぱいのカレンダーを好んでいるようで、その多くは広範囲にわたる世界旅行を伴う」 「対照的に、FIFAは、あらゆる場所、あらゆるレベルのサッカー選手の保護を含め、世界のサッカー全体の利益を守らなければならない」 今夏も多くのヨーロッパのクラブが来日するジャパンツアーをはじめ、ヨーロッパから近いところではアメリカツアーを行うクラブも多い。日本以外にもアジアツアーを行うクラブもあり、FIFAはプレシーズンのそうした行動が自らを苦しめているともしている。 両者がそれぞれの立場で主張をしていることになるが、果たしてどういった結末に向かうのだろうか。
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