「居場所がなかった」ガレソも出身!慶應SFCの雰囲気が苦手でトラウマに…金融エリートの肉乃小路ニクヨが女装に目覚めるまでの軌跡
ドラァグクイーン、コラムニスト、YouTuberとして活躍する女装家の肉乃小路ニクヨ氏は、慶應義塾大学を卒業後、証券会社、銀行、保険会社で10年以上キャリアを積んだ金融エリートである。世の中の裏と表に精通してきた彼女を掘り下げ、その「新宿二丁目人生」の中から社会で成功するためのヒントを見つけていく。第1回は、彼女の幼少期から女装に目覚めるまでのお話。
肥満でコミュ障だった子ども時代
――ニクヨさんの子ども時代と青春時代について教えてください。 ニクヨ 小学生のころはおとなしい肥満児。東京から千葉に引っ越してきて一緒に遊ぶ友だちがうまく作れなかったから、家で過ごすことが多かったです。いやらしい子どもだと思われちゃうかもしないけど、当時から株価の値動きや、プロ野球が好きだったので、選手の打率や年俸をテレビや新聞で追うのが好きでした。 中学受験に失敗してしまったので、いやいや地元の中学校に進学しました。というのも、地元の中学校は千葉でワースト3に入るヤンキー校で、肥満児は絶対にいじめられるだろうから入学前にダイエットしたぐらい。 でもいざ入学してみたら、うさぎ年だったからなのか(笑)、優しい子たちばっかり。最初に仲良くなったヤンキーの子が守ってくれたことも大きかったかもしれませんが、不思議と私は人気者でした。 ――ニクヨさんはご自身のことを「元コミュ障」と言われていますが、当時はもう克服されていたんですか? ニクヨ 全然(笑)。活発でもなかったし、朝は遅刻していたし、帰宅部だったし。ただ、小学校の後半からラジオや深夜テレビを観て、面白いことに対するリテラシーみたいなものが上がっていたので、ちょっとした気の利いた会話の返しとかで人気が出たのでしょうかね。「あいつ面白いぞ」って。
競泳のマット・ビオンディや体操の池谷幸雄が好きだった
――当時の深夜番組というと、『11PM』『トゥナイト』などの男性向けのちょっとエッチなやつだと思いますが、そういう番組もご覧になっていましたか? ニクヨ 観ていました。でもやっぱり見方が違うんですよ。エッチなビデオでも、男性の方に注目していました。性的なことに興味はあっても、他の人とは見ているポイントが違うなとはずっと思っていました。 ――好きな子ができたりはしましたか? ニクヨ テレビでは競泳のマット・ビオンディや体操の池谷幸雄選手、西川大輔選手の筋肉に惹かれていましたし、中学生になったら発達してきたまわりの子の体が気になるようになりました。 明確な初恋は小5から小6にかけて。東京からめっちゃかわいい男の子が転校してきたんです。その子がいるともうドキドキしちゃっていつもと違う自分になってしまう。「私は男の子が好きなんだ」と気づきました。