2024年、どんな1年だった? 新しい年の関心事は? 1万人アンケートの結果を大公開!
2024年は、あなたにとってどんな1年でしたか? さらに、来る2025年はどういう年にしたいでしょうか? 年末年始になると、この1年のあれこれを思い返し、新しい年への期待と不安を感じる、という方も多いのではないかと思います。そこで、ニッセイが行った「2024年の振り返りと新年への期待」アンケートの結果をもとに、みなさんの2024年・2025年への思いをレポートします! 【画像で確認】「今年の冬のボーナス支給額」平均はおいくら? ■「今年は良い年だった」という人が4割以上!とくに若者が高評価の2024年 ニッセイ(日本生命保険相互会社)は2024年11月、「2024年の振り返りと新年への期待」に関するインターネットアンケートを実施して、1万3959名から回答を得ました。その結果をご紹介しましょう。なお、回答した人の割合は、やや女性が多く、年代別では50代が最多です。 まずは、2024年の振り返りから。「今年はあなたにとって良い年でしたか?」と尋ねたところ、「はい」と回答した割合は、全体で44.6%でした。とくに、20代以下~30代では「はい」が5割を超え、なかでも20代以下では6割以上が「今年は良い年だった」と回答しています。 2024年は、戦争や物価高騰が起こり、大地震、猛暑などもあったため、良くない印象をもつ方が多いのでは、と思いましたが、そうでもないようです。オリンピックや賃上げなどの明るい話題もあり、身近なところでは、良いトピックを思い浮かべることの多い1年だったのでしょう。ただ、「どちらでもない」が43.1%もいるので、プラスマイナス相殺…と考えた方も少なくなさそうです。 続いて、「とりわけ、良かったことは何に関わることですか?」と聞いてみたところ、全体では「家族に関わること」と回答した割合が27.2%と最も高くなりました。年代別でみると、30代以下では「ライフイベントに関わること」の割合が高く、70代以上は「自分自身のこと(健康面など)」と回答した割合が最も高くなっています。 20代、30代には結婚や出産、就職や転職など、人生の節目となるような明るい出来事が多く、70代以上にとっては自分自身の健康が何より切実な問題なのかもしれませんね。 ちなみに、「ご自身の1年に点数をつけるとしたら、100点満点として何点をつけますか?」という質問では、平均69.8点でした。どの年代も60~79点をつけた方がいちばん多く、続いて80~99点をつける方が多かったので、2024年は非常に高評価の年といえます。昨年と比べても、20代以下と50代の平均点が、ともに2点以上高くなっていました。 ■約半数が来年に期待!とくに関心があるのは意外にもあの方のこと? 次に、2025年への期待について尋ねてみました。「来年はあなたにとって良い年になりそうですか?」という質問をすると、「はい」と回答した方が全体で48.1%。30代以下と70代以上では、「はい」と回答した方の割合が全体平均より高くなっています。とくに、20代以下と30代の約6割が「はい」と答えているので、来年は明るい年になる予感が高まります。 みなさんは2025年に予定されるどんなことに関心をもっているのでしょうか。「来年の主な関心事は何ですか?」と聞いたところ、驚くことに第1位は「アメリカ新大統領就任」の23.9%でした! 日本の出来事ではなく、海外の出来事が1位なんですね。ことに40~60代は大きな関心を寄せています。第2位は、ほぼ同率の23.1%で「2025 大阪・関西万博開催」。こちらは40代以下の関心が高いという結果になりました。 ニッセイ基礎研究所 チーフエコノミスト 矢嶋康次さんは、次のように話しています。 「来年の主な関心事としては、全体で『アメリカ新大統領就任』が最も多く選ばれましたが、『2025 大阪・関西万博開催』が僅差で 2番目となりました。 大統領選は金融資産を多く保有する中高年層の関心が高かったのではないでしょうか。政策の1つである輸人品への関税強化は、日本企業にも影響が出る可能性もあり、来年もその行方が注目されるでしよう。 また来年、日本では20年ぶりとなる万博が大阪・夢洲で開催されます。約161 カ国・地域と 9つの国際機関が参加表明しており、異文化交流や体験型のイベント等が若者の興味を引いているのかもしれません。 さらに、『参議院議員選挙』では 60代以上の関心が高い結果となりました。今年は石破内閣が誕生しましたが、衆議院選挙では与党が過半数割れしたことも大きなニュースとなりました。来年の参議院選挙では各党がどのような戦略を取るかが注目されることとなるでしょう」 ちなみに、2025年は、団塊世代が後期高齢者となることで、社会保障費の負担増や働き手不足などの問題が起こるとされています。この「2025年問題」は、半数以上の方が認知しており、とくに50代以上の認知度が高いという結果が出ています。 さらに、2025年問題の中で、最も不安に感じていることを尋ねると、「社会保障費(医療費や介護費)の負担増大」と回答した方が53.1%と、いちばん多くなりました。50代以下では、約2割が挙げた「労働力の不足」も懸念されているようです。 「来年は『2025年問題』がいよいよ現実のものとなります。全世代で半数以上がこの問題を認知しており、50代以上は近い将来、医療や介護に直面するため自分事として捉えやすくなったのではないでしょうか。 また、不安に感じることについては、人手不足や老後の生活よりも、全年代で『社会保障費の負担増大』への不安が半数近いという結果でした。今後、現役世代の人口が減少し、社会保障費が増加していくことに若者も不安を感じているのかもしれません」(ニッセイ基礎研究所 チーフエコノミスト 矢嶋康次さん) ■冬のボーナス支給額は「変わらない」が7割。業種によって浮き沈みも では、この年末年始、みなさんはどのように過ごすのでしょうか。アンケートでは今年の年末年始休暇の過ごし方についても聞いています。 「今年の年末年始休暇は何をして過ごす予定ですか?」という質問には、「自宅・自宅周辺で過ごす」と回答した方が58.7%となり、6年連続で最も多くなりました。次いで「見通しが立っていない」が11.7%で、「帰省」が10.9%。旅行に行く方は案外少なく、年末年始の過ごし方に迷っている方も多いようです。 予算の関係で旅行に行く方が少ないのでしょうか。「今年の『冬のボーナス』の支給額はいくらでしたか?(いくらの予定ですか?)」という質問の結果を見てみましょう。 すると、平均額は62.6万円でした。昨年が58.9万円ですから、3.7万円増えている計算になります。実際、冬のボーナスの平均額は、全年代で昨年より増加しています。 ただ、「『冬のボーナス』は昨年と比べて増えましたか?減りましたか?」という質問をすると、「増えた」と答えた方と「減った」と答えた方の割合はほぼ拮抗し、7割以上は「変わらない」と回答しています。業種別に「増えた」「減った」の割合を見ると、業績が好調な業種とそうではない業種で二分化しているようです。 「年末年始休暇の過ごし方として『自宅・自宅周辺で過ごす』と回答する方が最も多いのは例年と変わりませんが、今年は暦の上で9連休となる方も多いことから、昨年より割合は減っています。 冬のボーナスについては、平均支給額は全年代で昨年と比べて増加しているものの、約7割が昨年と変わらないと回答しており、物価上昇に賃上げが追いついていない可能性があります。 また、増減については業種で二分化しており、増加した運輸業は人手不足による人材獲得のための賃上げを行い、減少した鉱業では足元の素材価格の上昇を反映しきれなかった可能性があります」(ニッセイ基礎研究所 チーフエコノミスト 矢嶋康次さん) 日本でも世界でも、本当にいろいろな出来事が起こった2024年。多くの人にとっては、良いことのほうが印象に残る1年だったようです。2025年は巳年。脱皮を繰り返すことから、復活と再生を象徴するへび年が、みなさんにとってさらなる成長を遂げる年になるとよいですね。 文=高梨奈々