エイチ・ツー・オーリテイリング過去最高益 円安追い風、訪日客売り上げ6年前の2倍に
阪急阪神百貨店や関西フードマーケットなどを傘下に置くエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが15日に発表した令和6年3月期連結決算は、最終利益が219億円で過去最高を更新した。歴史的な円安によるインバウンド(訪日客)需要や株高などの恩恵を受け、主力の百貨店事業が大きく伸長。2月発表の修正予想を上回った。 売上高は前期比4・7%増の6574億円。本業のもうけを示す営業利益は約2・3倍の261億円となった。 百貨店事業では、高額商品の消費が好調で中国人客の回復に加え、韓国、台湾の利用者も増加した。円安による追い風で客単価も上昇し、インバウンドの売り上げは過去最高となった平成31年3月期の406億円の約2倍となる802億円を記録した。 会見した荒木直也社長は「コロナ貯蓄からのリベンジ消費に加え、インバウンド需要が想定を上回った。円安の追い風要素は大きかった」と強調。今後は観光立国として日本の注目度が高まっていることを受け、海外顧客ビジネスの拡大を目指す考えを示した。 一方、食品スーパー事業では、中間持ち株会社の関西フードマーケットを7月末に完全子会社化することを発表した。関西フードは上場廃止となる。一体経営により事業基盤を強化する狙い。