キャセイ航空、エアバスＡ３５０の燃料経路を検査－関係者
（ブルームバーグ）： 香港のキャセイパシフィック航空がエアバスのＡ３５０を欠航させたのは、燃料パイプの変形や劣化が疑われているためだと事情に詳しい関係者が明らかにした。
キャセイはエンジンに燃料を供給するフレキシブルホースに異常や変形、ねじれ、膨らみ、劣化がないかを予防措置として点検するようエンジニアに要請したという。公に話す権限がないとして関係者が匿名を条件に語った。
同航空は特定のエンジン部品に関する問題についてコメントを控えた。
キャセイは２日のチューリヒ行きのＡ３５０でエンジン部品の不具合を特定したと説明。問題のＡ３５０－１０００は英ロールス・ロイス・ホールディングスのエンジン「ＸＷＢ－９７」を搭載していた。
ロールス・ロイスは「航空会社や航空機メーカー、関係当局と緊密に協力し、この件の調査をサポートしていく」と発表文で表明。エアバスはロールス・ロイスとキャセイにコメントを求めるよう答えた。
キャセイはＡ３５０の全48機で点検を実施。Ａ３５０－９００とＡ３５０－１０００で計15機に同じ問題が生じたエンジン部品を発見し、交換を必要としているが、同様の問題を抱える航空会社は今のところ他にない。キャセイは「Ａ３５０でこの部品にこのような不具合が発生したのは世界で初めて」だとしている。
日本航空は、エアバスＡ３５０－１０００型５機全てのエンジンに潜在的な問題がないか点検すると発表したが、広報担当によれば、点検はロールス・ロイスから指示を受けたものではない。日航はキャセイと連絡を取り合ったという。
日航はロールス・ロイスからの連絡を待っていると広報担当は明らかにした。
Ａ３５０－９００を約64機保有するシンガポール航空にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。
キャセイによると、３機についてはすでに修理がうまくいき、残りのＡ３５０は修理が完了するまで運航を停止し、７日までには完全に運航を再開する予定。キャセイはこの問題発覚後、すでに運航を取りやめた48便に加え、４日に予定されていたさらに20便をキャンセルする。
