これは凄い! 彼女との記念日をすべて覚えている男
人気放送作家にして戦略的PRコンサルタントでもある野呂エイシロウさんが、長い業界生活の中で見聞きし、あるいは遭遇した、恋するオヤジさんたちの愛すべき艶話をこっそり披露する連載です。今回のテーマは……。 野呂エイシロウの「それはまた誰かのハナシ」
■ 「毎日が記念日」
先日、仕事関係である30歳代の女性を紹介された。「この女性(コ)の彼氏は本当に凄いんですよ~」と。何が凄いのかと聞いたら、デートのたびにプレゼントをくれるのだという。決して高級なものではないけど、毎回でビックリするという。 「5年前の今日、何の日か覚えてる?」と聞かれ、普通だったら「誕生日?」「旅行した日?」などになりそうだが、彼はその上をいく。「今日は初めてふたりでお寿司を食べた記念日」「一緒にサウナに行った日」など、彼女との思い出をテレビ番組の「今日は何の日」的に祝ってくれ、お寿司の模型やサウナ帽をくれるという。だから彼女もデートのたびに一応は去年の手帳をチェックするそうだ。 先日も、彼氏からちょっと高級なビニール傘をリボン付きでプレゼントされたという。「4年前の今日、初めて一緒に傘に入った記念日です。ありがとう!」ということだったそうだ。凄い。「そのうち、2年後の今日、別れる記念日」になったりして、と僕は冗談を言ったが誰も笑わなかった。とにかく、すべてが記念日。 近い将来、ふたりは結婚するという。さらに記念日が増えそうだ。「今日は野呂さんに悪口を言われた日」などと言われてしまうのだろう。
● 野呂エイシロウ
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。気さくな人柄と豊富な知識、そして巧みな話術にファンも多い。現在は戦略的PRコンサルタント業務など、多忙を極める。 2024年10月号より
文/野呂エイシロウ イラスト/早乙女道春