【予防歯科】ずっと健康な歯を保つためのリスク診断と予防プラン作りの流れを歯科医が解説
リスク診断をするとセルフケアの効率がUP! リスク診断のメリットを歯科医が解説
編集部: リスク診断でむし歯や歯周病のなりやすさがわかると、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか? 松井先生: ご自身のお口の中にあるリスクを知ることで、これまでよりもむし歯・歯周病を効率よく予防することができます。 例えば、歯磨きに毎回10分以上かけているのにむし歯や歯周病になる方は、磨き方に問題があることも少なくありません。その場合、正しい磨き方をきちんと習得すれば、「歯磨きに時間をかける」という手間を減らすことができます。 編集部: 自分のリスクを知れば、これまで余計にかけていた手間も省ける、というわけですね? 松井先生: リスクがわかればそこに焦点を当てた細かい指導が歯科医院で受けられるため、それを実践するとセルフケアの効率も格段に良くなります。セルフケアは毎日のことですから、少しでも効率を良くすることが長続きするポイントです。 また、高齢の方は唾液の減少が、むし歯や歯周病のリスクを高める要因になります。このように自身では解決できない問題については、歯科医院で定期的なサポートを受けることでより良い口腔環境を維持しやすくなります。
リスク診断に基づく歯科医院の予防プラン作り
編集部: むし歯・歯周病のリスク診断を、歯科医院ではどのように活用されているのでしょうか? 松井先生: 歯科医院では、患者さん一人ひとりに応じた予防プランの作成にリスク診断を活用しています。予防の基本はセルフケアですからまずはそこに焦点を当て、その方に適した歯ブラシや歯磨き剤の選び方、使い方などをご提案していきます。 また、セルフケアにあまり時間がかけられない方や自分でうまく磨けない方については、定期健診の頻度を増やしてもらって歯科医院での予防ケアを強化することも可能です。 編集部: リスク診断を受けると、オーダーメイドの予防プランを歯医者さんで提案してもらえるわけですね? 松井先生: その通りです。また、同じ患者さんでも生活環境やライフステージによってリスクが大きく変化します。したがって、リスク診断は一度だけでなく定期的に行い、その時の状況に応じて予防プランを作り直すことも重要です。 編集部: 最後に、読者へメッセージをお願いします。 松井先生: リスク診断はむし歯予防・歯周病予防のベースであるセルフケアをサポートする有効な手段の1つです。 お口の中に潜むリスクがわかると自分に適した予防法のアドバイスが受けられるほか、セルフケアの無駄をなくすことができます。これに歯科定期健診をプラスして、むし歯・歯周病を効率よく予防していきましょう。