62歳で貯蓄は「1000万円」です。定年まであと3年ですが、独身でも老後の生活を心配すべきでしょうか
予期せぬ出費や生活スタイルの変化も起こり得る
注意点として、上記のシミュレーションでは1000万円の貯蓄額で問題ないように見えますが、状況はそれぞれ異なります。現役期の収入が低ければ、年金受給額も低くなる場合があります。 例えば前述の年金モデルによると、現役期の収入が30万円の場合、受給額は13万2494円と予想されており、平均消費支出額を差し引くと「1万2936円の赤字」です。 また平均消費支出が14万5430円よりも高くなる可能性もあります。こちらの金額の内訳を見ると、住居費が「1万2564円」で計算されていますが、賃貸によっては支出がもっと高くなるかもしれません。 ほかにも、健康問題を抱えて多額の医療費が発生したり、結婚して支出が増えたりなど、現時点で予想できない負担を抱えるおそれもあります。
老後の生活設計のためにできること
安心感を少しでも増すには、定年前の今から、資産を増やす工夫や支出に備える工夫をするとよいかもしれません。例えば以下のような対策がとれます。 ●定年までの期間に貯蓄額を増やす生活スタイルにする ●医療費や介護費をサポートする医療・介護保険に加入する ●投資信託など資産運用を検討する 現在の生活費の支出を洗い出して、将来の収支バランスをシミュレーションすることが重要です。
1000万円の貯蓄で十分かどうかは状況により異なる
定年後の収支バランスが黒字であれば、1000万円の貯蓄でも事足りる可能性はあります。しかし毎月赤字になる場合は、貯蓄を取り崩す生活になるかもしれません。 また黒字だとしても、予期せぬ出費や生活スタイルの変化によっては大きな金銭的負担を被るおそれもあります。そのため今から貯蓄や資産運用、保険の活用などを検討し、余裕のある老後の生活設計を考えることをおすすめします。 出典 厚生労働省 年金局 第15回社会保障審議会年金部会 資料1 これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点(2) 多様な世帯構成を踏まえた年金水準の示し方(検討例1)(4ページ) 総務省統計局 家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2023年-(19ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部