USスチールCEO「バイデン大統領の行動は恥ずべきもの」 日本製鉄による買収計画の中止命令を批判
日本製鉄によるアメリカの鉄鋼大手USスチールの買収計画に対し、バイデン大統領が中止命令を出したことについて、USスチールのCEOは「バイデン氏の行動は恥ずべきものだ」と批判しました。 USスチールのブリットCEOは3日、声明で「バイデン大統領の行動は恥ずべきもので、腐敗している。経済・安全保障上の重要な同盟国である日本を侮辱している」と批判しました。 その上で「我々はバイデン大統領の政治的な腐敗と闘うつもりだ」として、引き続き日本製鉄による買収を目指す考えを示しました。 一方、買収計画に一貫して反対してきた全米鉄鋼労働組合のマッコール会長は、バイデン大統領による中止命令について「組合員と国家安全保障にとって正しい判断であることに疑いはない」として、歓迎する声明を発表しました。 また、日本製鉄が何十年にもわたり、アメリカ市場で製品を安値で販売し「アメリカの国内産業を弱体化させるために活動してきた」と主張し、警戒感を示しました。 今回の中止命令について、アメリカメディアからは日米関係や今後のアメリカへの投資への影響を懸念する声が出ています。 ニューヨーク・タイムズは「アメリカで培われた、開かれた投資という文化からの逸脱であり、アメリカ経済に幅広く影響を及ぼす可能性がある」「同盟国であり、アメリカへの最大の投資国の一つである日本との関係を悪化させる可能性もある」と指摘しています。 ウォール・ストリート・ジャーナルは「アメリカ政府が自国の企業を保護する政策に傾いていることを示す最新の兆候だ」とする一方、「124年の歴史を持つUSスチールの将来は不透明になっている」と今後の経営への懸念を伝えています。