二階堂ふみに聞く「中間地点でありたい」姿勢、「俳優部」としての喜び(後編)
『Eye Love You』(TBS火曜よる10時~)で主演を務める二階堂ふみ。ドラマについて言葉を尽くして語る彼女は、「中間地点でありたい」という使命感を胸に秘めていた。「俳優部」としてドラマに挑むその姿勢について詳しく聞いた。 【記事中の画像をすべて見る】
「待ち時間」ではなく話し合いのための時間
──前編では撮影の裏話やそれぞれのキャラクターについて教えていただきました。シーン一つひとつに、話し合いや工夫が重ねられたドラマなんですね。 二階堂 本当にそうですね。今回、侑里が経営しているチョコレート会社が廃棄カカオを扱っているということで、脚本づくりの段階でプロデューサーさんが廃棄カカオの研究をされている方に話を伺いに行ったり。そういうことがすべてにおいてありました。 ──キャラクターや設定がとってつけたものではない形になっているわけですね。そうやっていろんな面で丁寧に作られている。 二階堂 今回、照明ひとつとっても、毎カット組み直しているんです。だからふつうに時間がかかるんですよ。でも、その時間がかかる分、スタッフの方々と交流できるし、監督やプロデューサー、その他の部署の方と話す時間もあるから、いろんなことを話させていただきながら作品を作ることができている。そうすると「このシーンできるかな?」とか「ちょっと自信ないな」と思うようなところでも、周りがすでに侑里というキャラクターの輪郭を作ってくださるんです。そこにパズルのように「あとは自分がはまりにいくだけ」という状態になっている。みんなでそれぞれのキャラクターを作り上げている、そんな安心感がこの現場にはありました。 ──照明を毎回直して、そのたびに待つことになると大変そうですが、二階堂さんにとってはそれはネガティブな要素ではなく、各部署のみなさんと話せる機会なんですね。 二階堂 待つのが苦だと思ったことがないんです。そもそも、待つという感覚をもったことがないかもしれない。そういう時間は我々も必要になるときがあるからお互いさまで。俳優部として他の部署のみなさんにリスペクトがあるし、逆に他部署の方々がリスペクトしてくださるから、本当にありがたいなと思います。 ──パズルの一つとして、侑里さんのスタイリングも毎回とても素敵だなと思います。 二階堂 ありがとうございます!スタイリングはbabymixさんです。しっかり打ち合わせをしてひとつひとつ決めていきました。侑里が持っているLIFESTYLISTのレザーバッグも、ご相談しながら一つひとつ選んでいます。ヴィンテージのシャツとか、スニーカーとか、学生時代からずっと履いているデニムを現在でも履くとか。モノを大事にしているところを見せたいから、あまりアイテム数を増やすよりは、数を絞って大事に着る。でも、物語の流れが変化したり、キャラクターの変化が見られたときに、新しいアイテムを少し追加してみる。そんなふうにしていました。照明部や撮影部の意見も聞いて、画角によってどう見えるかとか、「このシーンではこちらのほうが色がいい」とか、そういうことも参考にしながら。