二階堂ふみに聞く「中間地点でありたい」姿勢、「俳優部」としての喜び(後編)
──毎話魅力的ですが、6話で北海道に行ったときの白い衣装が特に印象的でした。 二階堂 あれはbabymixさんが「やっぱり雪といえば白でしょ!」と選んでくれました。ふだん、自分がきれいにかわいく映ることはそこまで意識したことがないんです。でもあの回では、「こんなにきれいに撮ってくれているんだな」「こんなかわいい瞬間を切り取ってくれたんだな」と思って、すごく嬉しかったんですよ。それはスタッフの方々の愛情だと思うので。 ──まさに、物語として侑里とチェ・ジョンヒョプさん演じるテオの思いが通じ合うところでもありますし、きれいでかわいくて、侑里という人の魅力が出ていたように思います。 二階堂 実際の私は、本当に朝なんて人に見せられない状態なので(笑)。スタイリングはもちろん、ビジュアルを担当してくださるメイクさんなど、スタッフさんとのセッションの力が非常に大きかったなと思って感謝しています。
「中間地点になりたい」二階堂ふみの意識
──二階堂さんはこれまでたくさんの作品に出演されて、印象的な役がたくさんありますが、個人的に強く印象に残っているのが、『ぐるナイ』(日本テレビ)の「グルメチキンレース・ゴチになります!」コーナーのレギュラーになられたときに、「知名度を上げたい」とおっしゃったことで。ご自身の知名度を上げて映画やドラマを見る人を増やしたいと。そういう考え方で立っている俳優さんなんだ、と思って衝撃を受けたんです。 二階堂 90%冗談で言ったんですが、意外と真に受けたという方が多くて、ちょっと反省しました(笑)。 ──私も真に受けていました、すみません(笑)。 二階堂 バラエティは新たな学びの場でしたし、見てくださっている方が多いので反響もいただきましたし、あの番組を見て私を知ってくださった方もすごく多くて。……そうですね、自分は媒介者というか、中間地点になれたらいいなと思っているんです。 ──中間地点? 二階堂 それは映画やドラマ、その作品への中間地点でもいいですし、あとはアニマルライツ(動物の権利)やアニマルウェルフェア(動物福祉)、環境のことにおいても。声高に「これが正しい!」と言いたいわけじゃなくて、自分がそういう社会問題に少しでも取り組むことによって、「二階堂ふみで知った」という人が増えていくといいなと思っています。映画やドラマでも、私の出演しているものを観に行って、映画自体がすごく好きになって、私が出演していないものでも「こんな作品に出会えた」「こんなドラマに出会えた」というきっかけになれたらというのは、常に思っていることですね。