新米の季節!『令和の米騒動』の真実とは 暑さに弱い「コシヒカリ」米作り名人も猛暑に困惑 「米や農業について考えるきっかけに」と専門家
それでも、くず米を除いたお米が炊き上がると…。 【コシヒカリ農家 小谷安博さん】「いただきます。おいしい!新米の香りがするわ」 そして、思わぬ影響も。去年の米不足から、需要と供給のバランスが崩れたことで今年、新米の取引価格は全国的に上がったのです。 小谷さんの育てたコシヒカリ「京の豆っこ米」は、去年の1.5倍の価格で出荷できたのです。 【コシヒカリ農家 小谷安博さん】「ありがたい。去年のままだったら赤字じゃないですか。収量は少ない、価格も低いといったら赤字です」 その結果、消費者にとって、品不足の後に待っていたのが、突然の高騰! われわれはどこまで翻弄されるのでしょうか?
■「米騒動という言葉を安易に使うことに違和感」と専門家
農業経済学者で、「日本の米問題」を研究する小川真如さんに、関西テレビの吉原キャスターが聞きました。 【関西テレビ 吉原功兼キャスター】「『令和の米騒動』といわれていましたが、どう捉えたらいいのでしょうか?」 【農業経済学者 小川真如さん】「研究者としては、『米騒動』という言葉を安易に軽々しく使うことに、非常に違和感はありました」
「米騒動」といえば、第一次世界大戦をきっかけとした買い占めで、全国各地での暴動に発展した「大正の米騒動(1918年)」と、冷夏による不作から起きた「平成の米騒動(1993年)」の2つがありました。 そして、国は「平成の米騒動」をきっかけに、米を備蓄するようになったのです。 【農業経済学者 小川真如さん】「お米がなくなって、苦労した家庭・個人はたくさんいると思うが、日本全体だとか、これまでの日本の歴史を振り返った時に、本当に『米騒動』といえるものだったのかというと、そこまで大きな社会的な混乱ではなかったのではないかと」 【関西テレビ 吉原功兼キャスター】「お米が採れる量自体はどうでしたか?」 【農業経済学者 小川真如さん】「(去年の)生産量が少し落ちたということもあるが、国全体で見れば『お米は足りている』という結果になる」 「お米は年1回、秋に収穫するため、その直前の夏に品薄になりやすいのですが、まさにそのタイミングで大きな地震が起きた」 初めて「南海トラフ臨時情報」が出され、さらに“史上最強クラス“といわれる台風10号の接近で、多くの消費者が不安から買いだめる“パニック買い”が連鎖しました。 結果、棚から米が消え、家庭に備蓄されているだけだというのです。