オール北海道ワインの実現へ「最後のピース」道産ミズナラで“洋酒樽”づくりに挑む19歳の学生 JALとの協業に向け始動
■日本一の“洋酒樽”メーカーへ
小島さんは、今回のビジネスコンテストに応募する前から、有志で樽づくりに臨んでいます。 自分たちが製作した“洋酒樽”を「MICHITAL(ミチタル)」と名付け、そこには3つの想いを込めました。 【MICHITAL(ミチタル)に込めた想い】 ・人の心が“満ち”足りる瞬間をつくりたい ・サイエンスとテクノロジーで“未知”に挑む ・北海“道”でしかできない挑戦 この「MICHITAL」は、道内の家具メーカーなどの協力を得て2025年秋から量産体制に入る見通しです。そして2030年には4000樽を製造し、日本一の“洋酒樽”メーカーになる道筋を小島さんは描いています。 そして、「MICHITAL」によって完成するオール北海道ワインを、日本航空という大きな翼をとエンジンで世界へ売り出していきたいというのです。 ・北海道大学農学部2年 小島颯太さん(19) 「例えば、新千歳空港のラウンジで樽出しのワインを提供する。北海道に向かう機内で樽出しのワインを提供する。そんなこともJALさんとだったら簡単にできてしまいます。そして北海道に来ていただいて、樽を作っている森を感じ、ブドウ農園で大地を感じ、樽産業というニッチな産業を見て、ワイナリーを巡ってもらい、最後はそこでできたオール北海道のワインと食を感じてもらうパッケージツアーもできてしまう。こんなツアーは世界のどこにもありません。それを北海道で、僕たちなら実現することができます」 審査員の1人は、今回のビジネスコンテストをこう評価します。 ・日本航空 JAPAN AIRLINES VENTURES藪本祐介ゼネラルマネージャー 「我々も見習うところがたくさんあり、どの学生も斬新なアイディアでした。型にはまらない学生ならではの発想に、私が刺激を受けましたし、純粋にビジネスをやりたいという気持ちを忘れてはならないと感じました」 「グランプリを受賞した小島さんの『洋酒樽プロジェクト』は、これから両者がお金を稼いでいくにはまだまだハードルがたくさんあると思います。どういうところでお互いのシナジーを感じられるか、協業するための議論をしていきたいです。できればオール北海道のワインをJALで使えることが理想ですし、それに向けたスタートが今日なのかなと感じています」